424

 今日からは冬休み前の普通の日と何ら変わりがない通常授業が始まった。高校にも入ると長期休暇明けですぐに通常に戻るのである。

 一時間目の数学、空間ベクトルで思ったよりも自分が忘れていて宿題の数Ⅱのところしか冬休み中はやっていなかったのでベクトル関連の話は一切手を出していなかったのが裏目に出てしまった。

 三時間目の世界史、冷戦が少し下火になった緊張緩和の時期についてが今回の範囲でスターリンが亡くなったことがソ連にとってどれだけのものなのかがよく分かる歴史の流れだなと思う。またこの授業中から困ったことが起きた。何やら黒い固体が上から落ちてくるのである。それに触れるとたちまち手や机、ノートなどが黒くなって授業どころではなくそれがどこから来て何なのかということに頭が割かれてしまっていた。

 昼休み中も断続的ではあるが黒いものが降ってきていてご飯に入ってきそうだなと怖くて膝にお弁当箱を乗せて机の下くらいの影になるところでどうにかこうにか食べていた。

 四時間目の現代文の時に黒い物質が来ている場所を特定した、というよりは目撃してしまった。学校が古いからか灯油ストーブがあって排気口が筒になって外に繋がっている。その筒の接続部分から黒いものがふわふわと落ちてきた。今年になって一度もストーブを使っていなかったので逆になぜそうなるのかはよくわからなかったが外からの風が影響しているのではないかと思う。

 五時間目の化学、先生が触ってこれはススだろうというはんだんがされてやはりストーブ系なのだということが分かった。授業はまだ有機化学でやらなくてはいけないプリントをほんの十分くらいで終わらせたので残りの授業時間で化学平衡の電離平衡を独学で勉強していた。

 部活に行って他クラスでストーブの蓋が跳ねて火が見えるにまで至ったクラスもあったらしくてストーブを廃止した方が良いのではないかという段階にまで来ていると思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る