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 今日は週末、そして月が変わるのでこの席で過ごすのも最後になる。そういう意味では強迫良い日になるはず、だった。

 朝学校に行ってからあったことだが例の彼が僕以外の部活の人は問題ない、というようなことを間接的に言っていてしかも本人目の前である。それはどうなのかなと思わされたというのが本音である。

 三時間目の音楽では今日はいつもに比べてもう少し気楽にやれた。それは練習を見てくれている人が違うからというのがあったであろう。例のことながら音が低いと言われてしまって自分の中でも意識しているけれどもどうしようもないという状態でその事にどう見てもキレている人がいて途中で堪忍袋の緒が切れて怒声が聞こえた。このときに僕のやる気はマイナスにまで下がり、その後歌うことはなく二,三十分の授業を過ごした。成績よりもこっちの方が大事だと思う。

 昼休みから思考は完全にネガティブに入り込み、死に方すら模索し始めてしまった。これがある意味正常な自分である。本来の姿と言った方が良いかもしれない。小学校入学近くから思考はネガティブなのである。

 四時間目の倫理は授業を楽しんではいたが口を常時閉ざすようにして皆が何かで笑っているときも真顔で何しているのかっていう顔をしていた。ある意味思考停止をしていたのだとは思う。

 すべての授業が終わったあとに家族宛に新型コロナウイルスの政令が施行と同時にこの世から若船謙昭を消すというようなことを送っていないものだと思って過ごしなさいという令を出した。正直これは後のクラスでの家族に対する風評被害を最小限に抑えるという点から見ると完璧な案である。

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