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 今日は鬨俵トキワラ市で行われた子供たちのための科学教室みたいなものに参加した。

 プロペラの羽の長さが違うことによる滞空時間の違いを感じてもらうものと文化祭でもやったのだが酸化還元で起こる色の変わる水、信号反応の二つをやった。

 信号反応は昨日、残業して作った。しかし朝来てみてやったところ全然上手くいかず色も薄くて子供たちに見せるものとしては完全に良くないものとなってしまったのである。僕たちとしても何が要因でそうなってしまったのか分からず手も足もでないという状態だった。

 プロペラ一択に絞られてしまった我々は大きな手を失ったことに異論はないのだがお客さんの人数も少なくなおかつ会場に来てくれたお客さんの中でも来てくれない場合もあって来る子供の人数が少なかった。そのためにそこまで信号反応を利用するといったことを元々しなくても良かったのではないかと思えるような感じだった。

 ガウス加速器のブースを出していたソニーの研究者であり東大の非常勤講師の先生がガウス加速器の話を聞いてくれたお礼のような形で信号反応をどうにかできないかと会場の下にある薬局でオキシドール(酸化剤にも還元剤にもなりうる物質で今回の場合では酸素の供給をしてくれる)を買ってきていただいてそれを少しずつ入れていってみたのだが黄色みが薄くなったかなとという感じだった。その先生曰く二段階酸化還元するということは物質が不安定で安定な物質に変わったのではないかということである。物質の色はその物質の色の吸収されていないものが見えるわけで物質が変わってもその吸収のスペクトルが似ていたら同じように見えても違う物質であってもおかしくはないという。また光の原理だがベンゼン環が多いなどのものは色の変化が起こりやすくベンゼン環は常時単結合と二重結合の位置を変えている。その間電子が動く。酸化されると物質の付き方が変わって電子の動きが変わることで吸収スペクトルが変わるのだ。また一つ化学を学んだ。

 今日一日、疲れたと言えば疲れたが僕たちなりに楽しんだし楽しい一日だったのではないかと思えた。

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