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 今日はセミナーBの二日間ある大学に行く日の内の一日目だった。迷うと困るから皆で行きなということだったので一年男子の部活の仲間の七人全員で集合していった。行われるのは横浜国立大学で横国大からの最寄りの駅からまでが言われていたよりも思っていたよりも急でそれを登ったらもうシャツがびっしょり汗で濡れてしまった。僕の住んでいる市内に沢山の坂があるが、横国大まではどちらかと言えば階段系が多かったので膝の負担が凄かった。

 横国大に着くとその時点で労力を使っていて疲れていた。それでも着いたということで少し気持ちが軽やかになった。横国大については勿論国立大学なのでキャンパス内も広く、穏やかな場所で木も多く見られた。またキャンパスが広いせいで目的の教育学部の一つの棟を見つけるのが少し苦労した。それでもそれほど時間がかかったわけではないので良かったと思う。

 今日の午前中に行われたのはセミナーを受けているそれぞれの人が別々のフェノール類を用いてフェノールフタレイン溶液のようなものを作るということをした。フェノールフタレイン溶液は本来酸性・中性には反応せず無色でアルカリ性に反応して色を赤色に変えるのだが、強酸のときは異なっていて赤色ではなく燈色に色を変える性質がある。今回はその強酸で色を変えることをしたのである。作る際にフェノール類を手に溢してしまって手が白くなった。しかも痛みすらともなっているのである。同じ部屋にいたもう一人も同じようにフェノールを溢してピンク色に手を染めていた。フェノールの匂いも手についていて家に帰る頃までも取れなかった。その後、三つの物質を合成したものをオイルバスとマグネットスターラーが合体したような機械で五時間放置することとなった。三つの物質を合成した時点で既に他の人は紫とか赤系の色だったのだが僕だけは緑色の液となっていた。

 お昼の前に図書館によって大学の図書館はどんなものなのかを知識として得た。大学なので文学系のものは無かったのだが、気象学とかその他学問に関する本が広い図書館の大半を閉めていた。それだけでも僕の中の何かが揺らされてテンションが上がっていた。大学の図書館はすべてこんな感じなのかなと魅力的に感じた。

 その後に学食でご飯を食べた。皆がカレーを買っていて僕もとカツカレーを買った。僕自信も忘れていたのだが、カレーは家で甘口なのに何口も食べると辛くなり、外で食べると甘口ですらないのでもっと辛いのである。つまりそのカレーも辛い、それは食べて分かった。それでもカツは普通に美味しいし、辛いとは感じたもののカレーも甘めではあったので食べていくとどちらかと言えば甘く感じるような気がした。気から出たものなのかもしれない。

 午後は紙おむつの吸水性ポリマーのようなものを作るという作業をした。資料通りに作ったのだが、後々分かったこととして10mgを0.01gではなく0.1gとして考えて測り取って作っていたことである。その影響があったのか一時間程度たってもポリマーにはならなかった。それはどこの人も同じようで原因は不明なのである。明日は午前中に作った液を再結晶するらしくてそれをどうするか考えてと言われたのだが、どういうことか分からなかったのだが出きる限り考えないといけない。

 帰りは部活の一年生がまぐれではあるのだが同じ電車に乗って帰ることとなった。朝は男子のみ、帰りは男女と何か部活全体として仲良いんだなという感じがした。

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