15冊目☆☆★ リサ・クレイパス著「ひそやかな初夏の夜の」

 勝手にレーティング:R18


 19世紀ロンドンの社交界を舞台にした「壁の花」シリーズの第一弾。没落した貴族の令嬢であるヒロインと肉屋の息子で事業家のヒーローのお話です。

 ヒロインのアナベルは上流貴族の世界に憧れていてとにかく爵位持ちと結婚したいと考えているものの、家は落ちぶれて持参金もないために夜会ではすっかり壁の花になっていました。年齢的にも今シーズンが最後のチャンスと追い詰められていた彼女は、壁の花仲間のリリアン、デイジー、エヴィーと共に、結婚相手をゲットする作戦を立てるけれど…といった内容。

 中盤でヒーローと結婚するまではそこそこ先が気になる感じで面白いのですが、終盤にかけての結婚生活はやや冗長で退屈でした。最終的には綺麗にハッピーエンドになるので読後感は良いです。

 特別嫌なことをされたわけでもないのにひたすらヒーローを見下しているヒロインにイマイチ魅力がないのが残念でした。それからもう一点、ヒーローの親友役として登場する人物が別の作品でも登場しているらしくて、そちらを先に読むべきだったのかなと思ったりも。この作品を未読の方で読んでみようと思ったら、先に同著者の「悲しいほどときめいて」を読んだほうがいいかもしれません。「壁の花」シリーズの第二弾のヒーローでもある人物なので。

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