第203話 雪上での死闘
――ブオッ!
そこは一面の銀世界。
昨夜はかなり
最初に仕掛けたのはアルテミシア。
大きく踏み込みつつ、
ヴァシリオスは、その
元々
まだ彼女が幼い頃。
いくら教えても攻撃を主体とする
そんな彼女が防御に
――ブオッ! ブオッ!
続けざまに二度。
アルテミシア渾身の切り上げが、
最初の一撃で、ほぼ彼女の
既に
「その様な大振り、ワシにはかすりも……うぉっ!」
右下段から切り上げられた刃は、
――……フォンッ!
恐ろしいまでの
「うくっ!」
ただ、高速で移動する
「
いまだ
しかし、実際の戦闘場面において、チェーンメイルや甲冑を着こんだ兵士を
その為、
その重い
それらが合わさって、初めて
「ふんっ、言わせておこう」
彼は額に薄っすらと脂汗が浮かび上がるのを感じつつ、改めて赤龍を構え直した。
そして、自分自身に問いかける。
今の
しかし、その答えは見つからない。
少なくとも今は無理だ。それでは、全盛期の自分であれば?
それでも難しいかもしれない。
最近は
久しぶりに見る、己の
その
今一度。
今一度、己の
彼の中で、その想いが爆発的に膨れ上がって行くのを止める事ができない。
――ハラリ。
「くっ!」
一種、余裕の表情を見せていた
しかし、静かに地面へと舞い落ちる
それもそのはず。
彼女の
恐らく、彼女の
確かにもう半歩、彼女の踏み込みが深ければ、
しかし、その場合、彼女の出足自体、鎧ともども、両断されていてもおかしくは無かったのである。
どちらが早かったのか?
今となってはもう分からない。
複雑な想いを胸に、一旦距離を取る二人。
雪上での師弟間での死闘。
それぞれの
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