1月2日(土) 広島市中区袋町にある立吞み店「立吞み 魚椿 袋町店」で飲んで食べる。

広島市中区袋町にある立ち吞み店「立吞み 魚椿 袋町店」で飲んで食べる。


今年から年賀状は受け身になった。日頃が受動態だから、広島に来てにわかに精を出した年賀状は勢いが続かなかった。


毎年旅行の写真から干支に関する動物を選んで印刷していたが、妥協した。たとえば、酉年ならエルサレムで写した鳩で、戌年ならコロンビアで空き瓶と共に寝転がる野良犬だった。今年は牛のドUPの顔予定だったから、コンビニで買った年賀状に新しく買った筆ペンで、子供だましのイラストを添えるのみ。


年始に挨拶に来た年賀状を持ち、街中を歩いた。いつからか気になっていた「立吞み 魚椿 袋町店」に入り、半田郷の熱燗に、漬けのドカ盛りを注文する。タコを食べては一枚、サーモンを食べては一枚、マグロを食べては一枚と、キャンディーズのBGMに耳を傾けながら、多くない年賀状のお返しを酔いの向くままに書いていく。酒は人を大胆にさせるので、几帳面にならない筆の汚い運びに、極まった集中力で住所を記していく。


終わったら鯛の出汁茶漬けで締める。そんなめでたい正月二日目のご挨拶だ。

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