12月19日(土) 広島市安佐北区可部町にある農園「つぼくさ農園」のお野菜セットを買う。
広島市安佐北区可部町にある農園「つぼくさ農園」のお野菜セットを買う。
「醸 はせべ」さんに行くと、限定5セットの「つぼくさ農園」さんの野菜に当選した。これは嬉しい幸いだ。
手提げの紙袋から青く長い葉や、縁の豊かな葉が飛び出していれば、本通で歩く姿も注目される。それはマスクをせずの注視ではなく、おいしそうなキャラメル色との洒落た組み合わせによる存在感で、おそらく歩く人々の何人かに夜の鍋を食べさせるアイデアを与えたことだろう。
家に帰ってさっそく袋から取り出す。「醸 はせべ」さんの酒菜10種盛があるので、新生姜やサトイモ、ジャガイモはそのままにして、でこぼこの本ゆずを鼻にあてて蜜柑のある場所に置く。紫がアイシャドウのように鋭くきれいな大根は葉を切り離し、根を少しかじると採れたてほやほやの分厚い土の味がする。それと同時に鮮度のある辛みと苦みが複雑にのぼってくる。細かい棘を気にしながら葉の部分も口にすると、これは火に頼ったほうがおいしくいただけるようで、生命力の強いえぐみも口に広がる。
ころっとした玉ねぎは葉を噛んで、しまい、甘みある青みと辛味を口に広げながら袋詰めの春菊と葉の広がったパクチーを食卓に並べる。香りよい軽さの小さなパクチーと異なり、このサイズとなると食感にも幾分厚みが出て、香りよりもしっかり料理を含ませる大柄な重みがあり、「醸 はせべ」さんの料理を食べ終わったあとに、妻がお客さんからもらったというファミマのシュクメルリと合わせると、なんと美味しい組み合わせか。三つ葉のように土台を締めるうまさを感じる。
鮮烈な香りの春菊もぱくぱくしながら今の土の便りを口に感じ、「醸 はせべ」さんに「つぼくさ農園」さんと、どちらも濃い存在だと相性の良さに笑みがこぼれてしまう。今日も平和な農園だったのだろうかと、蟹の印象もうすれ始めてきた川と畑に、数日前の寒波からの雪化粧をつい想像してしまう元気な野菜達だった。
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