前のエピソード――６月３０日（火）広島市中区袋町にあるイタリア料理店「pizza juicy」で飲んで食べる。

広島市中区本川町にある日本料理店「季節料理ながせ」で飲んで食べる。

ついもう一軒行きたくなり、噂は名高く、近所にあるが足を運んだことのない「季節料理ながせ」さんに寄った。

料理はセットのみの対応の中で、急な来訪にも非常に親切に応対してもらった。

最初はカウンターで緊張にあったが、燗酒にのっかって飲むうちに、会話も膨らみ楽しい時間となった。塩辛のような旨味を持ったしらすは、これも名高い呉の漁師さんの食材で、SNS上では何度も見ていたが、こうして熟成された味で対面すると、むしろ人柄を想起させるような濃い深みだった。野菜のゼリー寄せのだし汁が冷たくおいしく、ここに来る前に飲んだ冷たいとうもろこしのスープも合わせて、幟町のフランス料理店で食べた季節の味わいが思い出された。

６月３０日（火）

広島市中区本川町にある日本料理店「季節料理ながせ」飲んで食べる。

ついもう一軒行きたくなり、噂は名高く、近所にあるが足を運んだことのない「季節料理ながせ」さんに寄った。

料理はセットのみの対応の中で、急な来訪にも非常に親切に応対してもらった。

燗酒を旨味の強くなる順に飲みながら、ワインと日本酒の作り方の違いと杜氏さんの矜持を聞いていると、コーヒー豆についても横から入り、農家か職人か、酒造りの違いによってその職業の色合いが変わるのだと自分の中で考えさせられた。

そして協会8号酵母の性格についての話を聞いていると、知識も感覚も乏しいのだが、音楽を表現する際の調性選びとつながってしまった。米や水を含めたすべての環境のなかで作り手の経験と想像で選択されるのは、物としての存在を持たない音楽とは決定的に異なるにしても、頭の中の着想をどのように表現するか適正な調性を採択するのとそう変わりがないのだろうか。

そんな事を考える良い話が多く、火曜日に設定した知る人のいる飲食店への訪問習慣は、おそらくこれからも実りをもたらすだろう。ついつい人との接触がおろそかになる自分ばかりの生活の中で、人との出会いこそがもっとも大きな経験になることを、酒と肴と一緒に思い知らされる。

そして協会8号酵母の性格についての話を聞いていると、知識も感覚も乏しいのだが、音楽を表現する際の調性選びとつながってしまった。米や水を含めたすべての環境のなかで作り手の経験と想像で選択されるのは、物としての存在を持たない音楽とは決定的に異なるのだが、頭の中の着想をどのように表現するか採択するかはそう変わりがないのだろうか。