「いま、貸した」と俺は電話で言った。

「いま、下か？」

「買いました」と彼は答える。

「真下かい？」階段を降りると彼がいた。

「いましたか？」俺は首を振る。

「まじ？　高い」レシートの金額に声が出る。

「また歯科医？」彼は首をうなだれた。

「今しがた……」彼が財布をしまう。

「しまい方！」苦言を呈した時、窓が割れた。

「また、石か！？」

「弾（たま）か石！？」

「まじ、硬い」落ちていたのは石だった。

「負かしたい！」勇みたつ彼に拳銃を渡す。

「増したいか？」弾数を確認する彼に尋ねる。

「大麻しか……」部屋を見回し、彼が呟く。

「確か、いま」はっとし、テレビを付ける。

「対、鹿島……」試合は終盤だった。

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