迫り来る恐怖 /恐怖の中で
私達は瞬き一つできず、身動きもできない。
首の無い武者達は、障子戸一枚向こうにいる。
こちらを伺っている様子。
やがて一人の武者の手が上がり、戸に手をかけた。
思わず叫び出しそうになったその時―。
障子戸に新たな影が映った。
その影は小さく、まるで子供のようだった。
武者達の動きが止まった。
小さな影に意識を向けている。
―やがて、武者達は向きを変え、廊下を再び歩き出した。
武者達の影が見えなくなると、二人は気絶した。
私は震えながらも再び障子戸に視線を向けた。
廊下は静かで、影も形も無くなっていた。
そして次の日。とんでもない事態になってしまった。
肝だめし派の部員達、全員が高熱で倒れた。
本来なら今日帰るはずだったが、肝だめし派は救急車で病院に行くことになった。
残った留守番派の私達も無事だとは言えなかった。
何故なら、全員が武者達の姿を見たからだ。
いや、ただしくは私と、私と同室だった二人は影しか見なかった。
しかし他の部員達は話によれば、武者達は部屋の中までやってきたらしい。
だが部員達の顔を見て、すぐに出て行った。
きっと違うことに気付いたんだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます