カルーゼル
閉園お終い
思い出仕舞い
笑顔でゲストを送り出した後
道化師は一人暗闇に還る、塵芥
仮面の下に隠す、錆
真夜中の遊園地に光るのは
寂びれたカルーゼル
やあ、まだお前もいたのかい
夜に埋もれた輪郭、黒
足早に逃げていくカルーゼル
無邪気なスキップは
ぐるぐるぐるぐる
いつまでも追いつかない、追いつけない
手は届く、届かない
あれ、お前は誰だっけ
壊れかけのオルゴールの歪に載って
静かに廻るカルーゼル
ああ、お前の顔なんか忘れてしまったな
哀、薄暗い空が戻ってきた
もう開園の時間だ
これでお別れ、そしてサヨナラ
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