死命行列〔ダイミョウギョウレツ〕

お囃子の音が近づいてくる

だんだんだんだん近づいて来て

布団に包まった僕の前でピタリと止まった


そう、彼らはダイミョウギョウレツ

死へのギョウレツ


烏帽子を乗せた骸骨達が

目の無いその骨の窪みの先を僕に向けてくる

君も来なよと手招きされてる

そんな気がした

きっとそろそろ僕の番だから

僕も行列に並ぶんだ


愉しそうな骸骨の後には

虚ろな目をしたサラリーマン

リストカット癖の女子高生

みんな一緒にダイミョウギョウレツ


死んでしまうのは悲しいけれど

生きているのも哀しいから

ダイミョウギョウレツは冥界に向かう

どうせ死んじゃう人生だから

お祭り騒ぎで向かいましょうよ


生にこだわりすぎな皆さんは

さぁひれ伏せよ 頭が高いぞ

どうせ君らも死んじゃうんだから

おててつないで並びましょ?

そう僕らもダイミョウギョウレツ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る