「あっつ…」

やはり、外は暑かった。

部屋からあまり出ないため、周りと比べて比較的白い俺の肌を

夏の太陽はじりじりと焼いている。

目的地は、坂を下ってすぐのスーパー。歩いて5分ぐらい。

一応チェーン店らしいけど、俺はこっちに来て初めて知った。

店の中は、クーラーが効いていて、すごく涼しい。

「…今日はたぬきそばが安い。」

基本的に料理は作らない。

一人暮らしになって、今までは母に頼りきりだった家事も

やらなければいけなくなったが、洗濯、掃除etc.はできた。

が、料理は本当にできなかった。食材が可哀想になってしまう。

なので、安い出来合いのものを買うのだ。

ご飯の他にちょっとしたお菓子や飲み物を買ってレジに行く。

「850円になります。」

ニコニコとしたパートさんにそう伝えられる。

俺はバイトをしていない。1回もしたことがない。

このお金は、親からの仕送りだ。

「1000円でお願いします。」

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