第17話 ねこっちと野生動物
その日はねこっちの大好きな動物番組があったので、ねこっちはテレビの前に座って見ていました。アフリカという所の大型猫科の特集でした。同じ猫として、見ないわけにはいきません。真剣な顔をしてテレビを見ていると、一匹のチーターがインパラを狙っていました。インパラという動物はちょっと鹿に似た草を食べる動物です。
もう、ねこっちはドキドキです。だってチーターに掴まったら、インパラは食べられてしまうのです。でもチーターも、インパラを捕まえないとおなかがすいて死んでしまうかもしれません。
ねこっちは、どっちの味方も出来ずに板挟みになってしまいました。チーターがジリジリと距離を詰めていきます。インパラはまだ気が付いていません。ギリギリの所まで距離を詰めたチーターがとうとうインパラ襲い掛かりました。板挟みであったねこっちですが、咄嗟に体が動いてしまいました。
テレビに向かってジャンプです!
ゴン! ベソーン!
テレビにぶつかって床に落っこちました。でもねこっちは、すぐに起き上がりインパラの無事を確かめます。ねこっちの体当たりで気が付いてくれたのか、インパラは逃げ切っていました。チーターはすごく残念そうにトボトボ歩いていたので、ねこっちは悪いことをしたなぁと思いました。
「ごめんね」
ねこっちは、チーターに謝ります。
「ねこっちは、優しいけど面白いなぁ」
後ろからくんちゃんの声が聞こえました。ずっとテレビを見ていたねこっちを見ていたようでした。
「違いますよ! ねこっちはチーターより先に、インパラを捕まえようと思っただけなのですよ!」
言い訳にもならない言い訳をしているねこっちを見て、くんちゃんはニコニコです。
「次はちゃんとインパラを捕まえて、くんちゃんに見せてあげます!」
「はいはい。楽しみにしておくね」
そう言いながらくんちゃんはまだ笑っていました。ねこっちはもうテレビに夢中になるのは、ほどほどにしようと思いました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます