第15話 ねこっちとかなちゃん
ねこっちに新しいお友達ができました。名前は「かなちゃん」といいます。
かなちゃんは、時々ねこっちとくんちゃんの家に宿題を持って遊びにきます。宿題が終わったら遊んでいいルールなのです。わからない問題は、くんちゃんが教えてあげています。ねこっちは特に何も出来ないので、かなちゃんの隣に座って一所懸命宿題をしているかなちゃんを見ています。
思えば最初にかなちゃんが遊びに来た時もそうでした。
最初は警戒していたねこっちでしたが、かなちゃんはねこっちが気を許すまでそっとしておいてくれました。ちょっとずつ近付いて行っても、そっとしておいてくれました。そして、最後にかなちゃんの隣にチョコンと座ると優しく撫でてくれたのです。その時からねこっちは、かなちゃんが大好きになりました。
「やっと終わったー!」
かなちゃんの宿題が終わったようです。やっとねこっちも遊んでもらえます。
「ねこっち、何して遊ぶ?」
「えっとねー、お布団でゴロゴロして遊ぶ!」
ねこっちの提案に、かなちゃんはいつも笑顔で頷いてくれます。一緒にお布団にゴロゴロしながら本を読んだり、撫でてもらったりします。ねこっちは、本当にかなちゃんが大好きです。だから、かなちゃんが帰らなきゃいけない時間になるととても寂しくなります。かなちゃんも帰りたくなさそうなションボリ顔になります。
「かなちゃん、もう帰っちゃうの?」
「かなちゃんのおうちのルールだからね。ルールは守らないともう会えなくなっちゃうよ?」
ねこっちが聞くとくんちゃんがそう教えてくれました。ねこっちは、かなちゃんに会えなくなるのは嫌なので寂しくても我慢することにしました。くんちゃんは、かなちゃんにも言い聞かせていました。
「いつでも遊びに来ていいから。おうちのルールだけは守ろうね」
くんちゃんはそう言って、かなちゃんを車でおうちまで送って行きました。
くんちゃんがかなちゃんを送って行っている間、ねこっちは一人ぼっちです。さっきまでワイワイ楽しかった部屋が、シーンと静まり返っています。それは、ねこっちをとても寂しくさせました。くんちゃんがすぐに帰ってきてくれたので、ねこっちはくんちゃんに甘えることにしました。
お友達は皆、いつかは帰ってしまう時間がやってくるけれど、くんちゃんはねこっちの所に帰ってきてくれます。ねこっちはそれが嬉しいのです。
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