夢うつつ


 眠い眠い。

 僕はベッドの中で、眠りに落ちそうになりながら目を閉じていた。

 そうすれば、ベッドに近づいてくる気配がする。


 きっとお母さんだ。

 僕は驚かせたくて、目を閉じて寝たフリをする。

 お母さんは言った僕が寝ているからか、頭を撫で始めた。

 やっぱり、お母さんが撫でてくれるのが一番好きだ。

 僕はどんどん眠くなってくる。


 しかし、囁くように耳元で聞こえてきた声に、悲鳴がとび出そうになった。


「そのままの小ささでいてね。そうじゃなかったら、私あなたがいらなくなっちゃうから」


 お母さんは、一体何を言っているのか。

 僕は聞けないまま、次の日を迎えた。

 大きくなった僕は、どうなってしまうんだろう。

 それを知っているお母さんには、とても聞けなかった。

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