異世界転生した先は…
タッチャン
異世界転生した先は…
オッス!オラ、ヤマダ!
子供がでっかいトラックに轢かれそうだったから助けてあげたぜ!
でもその代わりオラがトラックに轢かれちまった!
地面ってこんなにひんやりしてんだなー
血だらけで倒れるなんて初めての経験だからビックリ!
意識が段々と遠退いていくぜ!
……………………あぁ、彼女欲しかったな…
手、繋いでみたかったな…
まだ死にたく…ないよ………………
……アベンダャーズの最新作まだ観てないよ…
…確か4月26日だったよな……
誰だよ…エンドゲームなんてサブタイトルつけたの…
………センスありすぎだろ…
予告編……最高だったな…………
…その前にキャプテン・バーベルがあったな……
ブリャー・ラーソン扮する…キャプテン・バーベル…
……絶対おもろいやん……
ザノズと戦うのかな……
気になるよ………
悔しいよ………………
見たいよ……………
……皆生き返るの……か…………な………
目が覚めると素敵なシャンデリアが見える。
体を起こすと俺の身を包みこむ程のふかふかのソファーで寝ていた事実が俺の脳に伝達していった。
目の前には一面窓ガラスで、その景色は絶景なんてもんじゃなかった。
高層ビルばかり。摩天楼というもんか。
でも何でだろう。初めて見る光景ではない。
物思いに耽っていると、後ろから足音が聞こえた。
「やっと目が覚めたか。」
聞き慣れた声がする。
振り替えるとそこにいたのは………
「鉄男(てつおとこ)のダミー・ズターク!」
俺は奇声を上げて彼をまじまじと見つめた。
「ここはズタークインダストリーの最上階。
なかなかの景色だろ?
まぁ君はスクリーンで何度も見たはずだ。
その顔は何でここに居るのか不思議だと思って
いる顔だな。オーケー。落ち着くんだ。
君は日本という国で死んでもおかしくない程の、
事故にあったんだ。オーケー、慌てないで聞いてく
よな。君をここに転生したのはこの博士だ。
勿論、知ってるよな?」
ズタークの後ろから登場したのは、怒ると緑色の怪物、バルクになるブルース・バーナー博士だった。
勿論、彼も知ってる。
俺の好きなキャラだ。
「初めまして。いきなりだが君の力を貸してくれ。」
俺は反射的に差し出された手を握り返していた。
「間違っても彼を怒らせるなよ?
おっ、キャプテンの登場だ。」
バーナー博士の後ろから俺が1番好きなキャラが歩いてくる。
「君がミスターヤマダか。これからよろしく。」
俺の目の前にいるのは…そう、誰もが知ってるあの人、俺はまたも奇声を上げていた。
「サブキャプテン・アフリカ!!!」
上から下までムキムキな男は俺に手を差し出した。
俺はまた握り返えす。
「僕はスティーブン・ロジャス。一緒に戦おう。」
痛い、手折れる。離して。
俺が異世界転生…
本で読んだ事が現実に起きるなんて。
ここから俺の冒険が始まるんだ。
アベンダャーズに入れてくれるのかな?
それにしても、何でかな?ダミー・ズタークのオーケーしか聞き取れないぞ。
あれ?そうゆう事?どうゆう事?言葉通じないの?
俺、英語出来ないよ?
普通、言葉通じるよね?え、違う?どうしよう。
ほんとどうしよう。
「いきなりだが君にはこれから訓練をして貰う。
ダミーが作った、鉄男mark51を装着して戦って貰
う。君が使いこなせれたら、ザノズとの最終決戦で
僕たちが有利になるんだ。早速行こう。」
うわぁ何言ってるかわかんねぇ。
サブキャプテン・アフリカが手招きをしている。
なにやら移動するみたいだ。
何処に行くの?
憧れの彼らの後ろをついていくと、そこは広い部屋だった。
「ここは訓練室だ。君の為に改築したんだ。
あれが鉄男mark51だ。ナノマシンで出来てる。
直ぐに装着できるぞ。さぁ時間が無い。
サブキャプテン!ゾーは来るのか?」
知ってる単語がダミーの口から発せられた。
ゾー。まさか、雷を操る神様?
ストームブレイカーで敵を薙ぎ倒す人?会えるの?
「もうすぐ来ると思う。
なんだ、君も見に来たのか。」
むさ苦しい男ばかりの空間に甘い匂いが漂う。
俺は反射的に振り向いた。
そこには絶世の美女が…この流れで行けば登場するのはただ一人。
そう、ブラウン・ウィドウの登場だ!
「よろしくねミスターヤマダ。期待してるわ。
それに結構いい男じゃない。」
マリア・ビルかい!
いや彼女もめっちゃ綺麗なんだけどさ。
でもニック・ブューリーは何処?
いつも彼女とニコイチなんだけどな。
後から来るのかな。
彼女が差し出した手を、小さくて綺麗な手を俺は握り返えす。
女性の手ってこんなにも柔らかいものなんだなぁ…
いい匂いだ…
あれ?彼女ってたしかザノズの指パッチンで消えた…
………まぁ細かい事は気にするな♪それ!ワカチコ♪
と、その時、この広い部屋のドアが勢いよく開く音が響き渡る。
短髪でムキムキな男は右手に斧を持ち、堂々と部屋の中へ入ってきた。
「訓練の相手は俺だ。
死なない様に手加減してやるよ。」
何言ってるかわかんねぇけど、けど……
不敵な笑みを俺に向けるのは…雷を操る神!
ゾー本人だった。
スゴすぎる……オールスター勢揃いじゃないか。
いや、後、ブラウン・ウィドウと弓使いと🐜男と、
司令官のニック・ブューリがいないのは気にしないでおこう。ワカチコ精神だ。
(今の若い子はワカチコ知ってるのかな?)
ダミーが小さい機械を持って近寄ってきた。
「さあ、これを胸に着けろ。ナノマシンが体中を覆
ってくれる。ゾーの雷は強力だがそのアーマーが
君を守ってくれるだろう。さぁ時間が無いぞ。」
俺が、?って顔してるとダミーが無理やり俺の胸に機械を押し付けた。
一瞬の出来事だった。俺の体は鉄に覆われ、憧れの鉄男になっていた。
うわっ、新車みたいな匂いがするよ!
「始めるか。行くぞっ!」
そう言うと、ゾーは俺に向かってストームブレイカーを振り下ろしていた。
俺の体を覆っていたナノマシンのアーマーは見事に砕けちり、鉄屑になった。
凄まじい痛みを伴い俺は倒れる。
意識が遠退いていく。
「ゾー!手加減しろよ!」
…ダミーが何か叫んでる……
「手当てしないと。」
マリア・ビルが俺の体を触りまくる…
素晴らしい…こんな美女に見送られるならいいか……
「やっぱり一般人じゃダメか。」
バーナー博士が俯いて呟いていた…でも……でも…今の英語は聞き取れたかも……弓使いも一般人……じゃん…
俺の意識は途切れる。
目が覚めると目覚まし時計が響いていた。
見慣れた天井だ。
俺は体を起こす。
目覚まし時計に視線を向けると9時30分を指していた。
今日も遅刻だ。
憂鬱な気持ちを携えて、俺は洗面台に向かう。
今日は月曜日。1週間が始まるんだ。
仕事行きたくねえな。
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