第136話【幸せな夢を話そう】

大ホールは死体で一杯になり息も絶え絶えになるクレール達。


”そこまで”と黒板に大きく書く大臣。


「・・・やっと終わりか」


先程クレールと話した強面の男が呟く。


「まだまだやれるのに」


飄々とした胴長の男が嘯く。


「くそったれが・・・」


貌に傷が有る男が吐き捨てる。


「・・・・・」


白髪の男が黙って持っていた槍を捨てる。


「ひ、ひぃ・・・」


逃げ回って生き延びた小男が死体の下から這い出て来る。


「はぁ・・・はぁ・・・」


クレールが銃を片手に息を切らす。


”じゃあ皆しゅうごーう”と黒板に書かれた。

生き残った6人の大臣の前に並ぶ。

”じゃあまず自己紹介しようか

名前と望みを言ってね”と黒板に黒板に書かれていた。


強面の男が口を開く。


「トムだ、望みは自由になりたい」


”叶えるのが容易で良い望みだ、次”と黒板に書かれている。


「じゃあ次は俺だ」


飄々とした男が挙手する。


「ストーンだ、望みはそうだな・・・ハーレムが欲しいな、かわい子ちゃん達の」

「ふざけてやがる」


貌に傷のある男が吐き捨てる。

”君は?”と黒板に書かれている。


「・・・ダニエルだ、俺の自由の身になりたいかな」

「・・・デル、不老不死になりたい」


白髪の男がダニエルの言葉に被せて言う。


”ふむふむ、なるほどなるほど、じゃあそこのビビリ君、どうぞ”と黒板に書かれている。


「キャ、キャンポーだ・・・とりあえず国外逃亡かな・・・」


”順当な所だなぁ、じゃあ期待の紅一点、どーぞ”と黒板に書かれている。


「クレールよ、私は他の屑とは違って有意義な願いよ、私の主のジェラール様の救出を望む!!」


”なるほどなるほど、了解した”と黒板に書かれている。


「じゃあ大臣、私達にして欲しい仕事って何?さっさと片付けて

ジェラール様を助けに行きたいんだけど?」


”やるき満々だねぇ、クレールさん

だがとりあえずさっきの選抜で怪我した君達の手当てをしよう”

と黒板に書かれている。


顔をしかめる6人、彼等は手当てとやらが激痛を伴う物だと知っているのだ。


”痛いけど、直ぐに済むから大丈夫だよ^^”と顔文字付で黒板に書かれている。


「お、俺は怪我していないからセーフだよな!?」


キャンポーがおどおどしながら叫ぶ。


”┐( ̄ヘ ̄)┌ そうだね”と黒板に書かれている。


「何だその顔文字は」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る