第12話 開拓7日目-穴掘りの続き、転圧作業-
◇ ◇ ◇
[ 7日目 ]
引き続き基礎の穴掘り作業を行う。
30センチの部分にビニールテープを巻いて分かりやすい目印を付けた長い棒を使って、穴の縦横と深さを測りながら穴を整形していく。この一工夫だけで作業はずっと効率化できた気がする。
穴を掘ったことで出た残土は建築エリアの外に幾つかの山を作ってまとめておいたが、かなりの量になってしまいそうだったので、途中から残土は土嚢袋に入れておく方法に切り替えて今後の進入路の整備などに再利用することにした。
◇ ◇ ◇
穴掘りの次は、穴に砂利を入れて推し固め、沓石を置くための土台を作る作業を行う。
一般的に独立基礎の土台には『砂利』ではなく『砕石』を使うのが良いらしい。砂利と砕石は厳密には異なるものであって、それぞれ向き不向きを検討した上で今回は砂利を使うことにした。しかしこの考えは判断を誤った部分かもしれない。
『砂利』は道路の路面に敷いたりコンクリートの材料に用いたりするもので、角がそれほど尖っておらず、車が乗ったりしてもタイヤがパンクしてしまうということは基本無い。ただし砂利にも丸いものから尖っているものまで様々な種類がある。
一方、『砕石』はとても尖っており、転圧(押し固める作業)を行うことでより隙間が締まって安定するため基礎の用途には向くがそれ以外にはあまり用途がない。
今回なぜ砂利を選択したかというと、基礎の工事に実際にどのぐらい必要になるか分からなかった点がまずあり、もし余った場合に他の用途で転用できることを考慮した。
また、近所のホームセンターに下見に行ったときに砂利は様々な種類が置いてあったが"砕石"と名の付いた商品は売っていなかった。そのため砕石は売っていなくて入手できない可能性も考え砂利を選択したのである。
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転圧作業は「タコ」を使って人力で行う。タコは市販品を買うと5000円ぐらいするが、今回は進入路工事の際にも使った自作品を使う。これは玉切りにした30センチほどの丸太の左右に2本の棒を付けてボルト止めしたもので、後に強度を上げるため左右の棒の間に横木を追加した。
使用方法としては単純に垂直に持ち上げて振り下ろすだけである。
基礎には購入してきた砂利の他に、穴掘りで出てきた石や近くに落ちていた石も再利用した。購入品の使用量を減らし不要物も処理できるので一石二鳥である。
穴に石や砂利を入れて転圧作業を行うが、問題としては砂利を使ったせいなのか分からないが石同士が"締まる"という状態に中々ならなかった事である。タコを振り下ろすことで確かに砂利は噛み合うが、振り下ろし方や勢いを変えたりすると砂利が動いてしまうのである。しかし正解を知らないのでこれが本当に間違っているのかどうかも分からないのである。
仕方ないのである程度平らに締めることができたら、その上に沓石をおいてみてグラつかないことを確認した上で、若干不安ではあるもののこのまま作業を進めることとした。
水糸の交差を目印にして沓石の大体の位置や高さを調整していく。
沓石は最終的にはモルタルで固定するので、本格的な微調整はそのときにまとめて行う。
◇ ◇ ◇
この日はひたすら基礎の作業を行なっていたが気がつくと16時ぐらいになっており、今日中にすべてを終わらせることは時間的に困難だと思ったので作業を切り上げた。
そして今後使う木材に防腐剤を塗って乾燥させる作業をして翌日以降に備えることとした。
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--経過--
進入路の工事 -完了
資材の購入(基礎・床材) -完了
資材置場(仮)の建設 -完了
基礎工事 -進行中
-土台の転圧 -進行中
木材の防腐処理 -進行中
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