129 真理の行き先Ⅱ
「例えば、燃やしてみる。他にはページを並び替えたり、破ってみたり、折り曲げてみたりと色々と方法はある」
「まあ、錬金術にはそういったことはあるが、魔法にもそういうものがあるのか?」
「ある」
ハウロックは、紙を束ねてある紐を解きながら話す。
「魔法でも錬金術と同じように解読法は似ている。なら、これも同じようにすればいいんじゃないのか」
「分かった。それでやってみよう」
「まずはそれぞれ、錬金術の所と魔法の所が書かれたある個所を並べてみるか……」
「そうだな」
二人は他の方法で解読し始める。
× × ×
一方、デミトロフの格好をしたエミリーは、錬金術の合同練習で連携の確認を行っていた。
――――はぁ、はぁ、はぁ……。
――――意外ときついですね。錬金術を使うたびに少しずつ痛みが走りますが、前よりそれほど強い痛みを感じません。
エミリーは、デミトロフの錬金術を使いながら錬成陣なしで錬成し続ける。
――――でも、おかしいですね。
――――あれほど、錬金術を使っているのにこれほど疲れが出てこないって……。
――――まさか……。いえ、そんな事があるはずありません。
――――彼がそんな器用なことができたなら今頃、こんなに面倒にはなりませんしね。
エミリーは、指示を受ける前に周りの状況と自分の間隔を信じて、錬金術を発動させ、動き回る。
「デミトロフ、休んでいいぞ‼」
「はい‼」
エミリーは、大声で返事をして近くの給水所に行く。
手袋を外し、ポケットにいれ、水道の蛇口を捻り、水を飲む。
――――それにしてもこの訓練、何か裏があるような気がしますね。
――――ちょっと探ってみますか……。
エミリーは、胸の奥に決意を抱きどこかへと消え去った。
「あれ? さっきまでここにデミトロフいなかったか?」
と、休みに来た男子生徒が休んでいる生徒に訊いた。
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