ログインのみ弱小プレイヤーの魔導士

ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ

第1章  天の災厄

001  天の災厄Ⅰ

 俺はいつも通りの休日を自室のベットの上で横になりながらスマホゲームをしていた。



 プレイしているゲームアプリは二十個程である。



 そのうちしっかりとプレイしているアプリは十九。残り一つはいつもログインだけして、後は何もせずにログアウトしていた。



 そのゲームは異世界ファンタジーであり、サービス開始から五年ほど経っている。



 俺、桜井裕也は中学一年の頃からこのゲームをサービス開始からしており、たったレベル10でプレイするのをやめ、ログインボーナスしかしなくなった。



 このゲーム内の最高レベルが、現在500が最大だと記憶している。



 それに俺のゲーム内キャラはそのほとんどが初期装備であり、金とアイテムだけが無駄に溜まっていくだけの周りからすれば無駄遣いだと思われるだろう。



 それでも俺にしてみればどうでもいい事である。



「はぁ……。夜更かしすると、朝は寝みぃ……」



 昨日の夜から今までテレビを見ながらゲームをしていた。



 そして、最後に例のアプリを起動させ、連続ログインと累計ログインのボーナスを受け取った後、俺はそのままベットの中で眠りについた。






「おい、あんた。起きたらどうだ? この辺で寝るとどうなるか分からないぞ」



 誰かの声が聞こえる。



 しかし、ここは自分の部屋のベットの上だ。



 ああ、テレビのバラエティー番組の音だろう。



 そう思って、再び谷の底へと潜っていく。



「いや、だから、起きて貰わないとこっちが困るんだが……」



 と、自分の体が強く揺さぶられる。



 俺はゆっくりと目を開けると、目の前に男の顔があった。



 え? なんで、知らないおっさんが俺の部屋にいるんだ?



 びっくりして飛び起きると、目の前には自分の部屋の白い壁ではなく、知らない世界が広がっていた。



「おい、おい。これは一体どうなっているんだよ」



 茫然として辺りを見渡すと、草原が広がり、近くには街が見える。



 一体、ここはどこなのだろうか。



 記憶にない。こんな場所、俺が今まで見た中で初めての体験だ。

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