第22話「創作の魔女」(3巡目)


 わたしは、久利須くりす『創作の魔女』よ。今は、尾瀬子おせこの依頼でスマホアプリを製作中なの。


 スマホは、iPhone と Android の2種類があるわ。尾瀬子おせこから渡されたスマホが Android だったので、こちらに統一しよう。 iPhone を使っている魔女がいたら、Xperia をソニー製の iPhone だと言って使わせよう。開発言語はコトリン。理由は、名前がなんか可愛かったからだ。中間コードにコンパイルしてから、魔法要素を混入する。

「よし出来た!!」


 LINE に似たアプリは『魔女LINK』と名付けた。早速、尾瀬子おせこに連絡しよう。


「はろー尾瀬子おせこ出来たわよ−!」

「魔法を感知して起動するの。私たち12人の魔女だけしか使えないわ」

「ツ────!」突然、スマホが不通になった。

「あれ。コンパイル失敗したのかしら?」


「こんにちは、魔女のお嬢さん」

「うそっ──賢者さん?」


 私は研究職の魔女なので、戦いには向いていない。これは降伏しかなかった。

「面白いものを作ってますね──僕も協力しましょう。 そうですね──『人狼ゲーム』ってご存知ですか?」

「ええ、まあ」

「今回はスマホを使った『人狼ゲーム』で、魔女のみなさんと遊びたいと思っています」

「面白そうですね。私もやってみたいです」

「そうですか……でも残念です。定員は魔女12名。あなたはお休みです」

「なっ!!」


(あ、封印されちゃったかな? 私は目をつむり成り行きを任せた……)


「残念ね。賢者さん。今回はお引き取り願おうかしら?」

尾瀬子おせこ──!!」

 いつもの青い髪が紫色に光っている。

「おっと、それでは失礼します……」

 賢者は、尾瀬子おせことひとことふたこと会話すると逃げていった。


尾瀬子おせこ──うわ──ん。あーん」

 私は、尾瀬子おせこに抱きついた。


 尾瀬子おせこは、賢者が、久利須くりすに成り済ましするのを阻止した。



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