第1話「魔女の集会」(前編)
「
「早速、男子を
痩せ型の美男子が、
「生徒会長の、高橋ミナトくん。昨日知り合ったの。私を寝かせるのが上手かったわ」
艶のある話をしながら、
「オトコの味」
私は、杖をひと振りして、部屋の模様替えをした。明るい、洋風の部屋になった。
「あら? 怒った?」
杖をもうひと振りすると、生徒会長が消えた……帰宅したようだ。
「怒ってないわ。それより賢者。 まだ来てない?」
「さあ、あなたの方が詳しいんじゃない?」
「反応はないわ。でも油断できない。前回もいつの間にかやって来て封印された」
ギリと歯ぎしりの音がした。悔しかった。
「前回は、まとまり過ぎてたわ。あれでは一網打尽にされるだけ……」
前回の賢者との対決は、とある国の城攻めだった。賢者がひとりで城を守り。
対する12人の魔女が城を攻めた。3人ずつ4方向から城攻めを行った。
魔女の配置も良かったのに……。
攻め込んだ大講堂に、12人の魔女が集まった瞬間。魔女たちは、石化され封印された。あれから200年も経っていない……口惜しい。
「でも、ミスはミス……」
私の手に、スマホが現れた。
「今回はコレよ!」
「ミナトくんが持ってたわ。スマホでしょ?」
「この方が便利でしょ?」(スマホは本体を買うより、契約するが大変なのだ)
「むむ。
空中で、スマホが回転している。ピピピと鳴った。
「はろー
空中のスマホに新しいアプリが登録された。
『魔女LINK』と命名されている。
「魔法を感知して起動するの。私たち12人の魔女だけしか使えないわ」
空中に浮かんだ、スマホに
RRRR……
「来たわ」
「ちょっと待ってて、目覚めた魔女全員に『魔女LINK』を登録するわ」
RRRR……
「アースからよ『魔女LINK』を登録してるわ」
「今回は『魔女LINK』スマホね? 元気にしてた?」アースは、輪廻の魔女だ。同じ世界を渡り歩く魔女。『魔女LINK』について知っているところを見ると、何度か来ているのか?」
「アース。ここには何度目?」
「2度目よ。前回は、賢者に封印されたわ」
「私たちを戻してくれたの?」
「ええ。今回はゲームよ。『人狼ゲーム』って知ってる?」
「村人に化けた狼が、村を襲うゲームでしょ?」
「そう、村人が出来ることは、疑わしい村人を処刑することだけ」
「そして、狼が出来ることは、毎晩ひとり村人を殺すこと?」
「賢者が狼よ!!」
「12人の魔女に紛れているか?」
アースの説明はこうだ。私が、12人の魔女に『魔女LINK』を配った瞬間。
魔女が13人いることに気付く。12人の魔女+賢者だ。
賢者は『人狼ゲーム』をしようと持ちかけてきた。
『人狼ゲーム』と違うところは、処刑ではなく封印するところ。
魔女側にも『賢者の封印の力』を貸し与えてもらい、ゲームはスタートした。
昼間に、魔女たちが会議をし、封印する魔女を選ぶ。その中に、賢者がいなければ、夜のターンになる。夜のターンは、賢者の封印により魔女がひとり封印される。
1日でふたり封印されることになる。
魔女は、賢者が封印された途端、魔女の封印が全て解けて、ゲームに勝った事を知る。
逆に賢者は、自分以外の魔女を封印して。 今回のゲームも勝利する。
「アース、詳しくは教えてくれないのか?」
「ああ『輪廻の魔女』としては、教えることは出来ない。理由はわかるな?」
「教えた途端、全く異なる未来が始まる」
「今回は、私より能力の高い者が3人いるようだ。自力で覚えろ!」
「私と賢者。そして……フーリン」
私とフーリンは、とても強い魔女だ。他の魔女を合わせて何10倍しても叶わない程の力を有している。ではどちらが強いか? それは今後、対決してのお楽しみだ。
「記憶を維持できるのは、魔女では、私とフーリンだけね?」過去に戻る『輪廻の魔法』は便利だが、ほとんどの魔女の記憶も元に戻る。記憶を維持できるのは『輪廻の魔女』アースよりも魔法の力が強い魔女だけだ。12人の魔女の中でも2人だけ。そして憎いのが、賢者も力が強い。だから賢者も記憶を維持できると見ていい。
RRRR……
「フーリンだ。
「すまん。私は前回の『人狼ゲーム』を知らない様だ」と私は謝罪する。
「……ふぅん。心当たりはあるが、今は言わないでおこう」
「なんだ? 勝ち誇った様な言い方だな? お前の方が魔法力が強いと言いたいのか?」
「違うちがう。お前が早めに封印されたせいだろう?」
「ああ、なら記憶がないのも判る」
「なあ、アプリに色を付けれないの? 例えば、
「ああ、視認性をあげたい? わかったわ」と
『青』が
『緑』が
『黄』が
『灰』がアース 輪廻の魔女
『紫』がフーリン 力の魔女
RRRR……
RRRR……
「「ハロー ハロー」」
「「ちょうどいま来たとこ」」
このハモって喋るふたりは双子の魔女。
『桃』が「
と
『苺』が「
「桃色はわかるけど、苺色って何?」と
「ま、ほとんど赤ね」と私。
これで半分、7人の魔女が揃った。
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