小休止(第七十七回 お題「答える」)

 返答文書の内容は予想通りだった。

 スタッフ達は動じることなく、粛々とこの先の準備を進めていく。

 そのための打ち合わせを次々とこなした後、私は数分だけ休息をもらった。

 私物のスマホを見ると、学生時代の友人たちから大量のメッセージが届いている。

 インターナショナルスクールで共に過ごした同級生同士が非難し合っているのを、映像でつぶさに目撃しているのはつらいだろう。

 短い詫びの返信を、全員に同報で返す。

 目をつぶり、両方の瞼を強く押す。ゆるく、長く息を吐く。感傷はここへ置いていかなければ。

 私は立ち上がり、記者会見場へ向かう。

 他国への侵略を止めない独裁者へ、宣戦布告するために。

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