うちの妹(デブス)が描いてるやつ→『闇病-YAMI-』「言ったよね?僕、妬くほうだって」「や、やめろ」「君のふしだらなココには“鉄の処女”を装着しないと…ねッ」「ギャアァ!」  俺「ヒエッ」

「なかなかべっぴんさんなお顔してんじゃねーか、坊主」


 近い近い近い、っていうほど顔寄せての顎クイをされて、ぞぞぞと全身の毛がいっぺんに逆立つ。おいおいおいおい、まさかソッチ方面のご趣味をお持ちのかたですかあーっ!?


「バーカ。俺ぁ、野郎なんざ興味ねーよ」一瞬、ほっとするも「興味を持ってるのは上得意客のダンナのほうだ」うわあーっ、結局ヤベーんじゃねえかー!


「おう、じゃあ兄ちゃんもついでに来てもらおうか」


 がしっとハーフオークのおっさんの野太い腕が肩にまわされる。そっちやらあっちのご趣味がないとわかっていても気色悪い。

 逃げようにも左右からはさまれ足どりもおぼつかず、半分引きずられるような格好だ。

 女の子も再び叫び声をあげるが、助けに入ろうなんて奴はどっちを向いてもおらず、ソーバッドなフィーリング。


「ボーヤは処女か? あん?」前も後ろも清らかなままですぅっ。「ダンナのプレイはハードだっつーから覚悟しな」ハードプレイってナニ!?


 日本の法律とか百パー完璧におよばない、自由と暴力のまっただなかな異世界でのハードプレイってどんだけハードなの!? うちの腐妹デブスが描いてる薄い本のヤンホモぐらい危険なやつかなっ? だとするとそうとうエグいことになって発狂・廃人・死亡コース確定なんですけど!


「今日は上玉がふたりも手に入ってついてる――あん?」


 人さらいご一行様の足が止まる。


「なんだてめえ」


 ハーフオークが低い声でドスをきかせた。

 一行のゆく手を阻むように、道のまんなかに何者かが立ちはだかる。

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