ショートコント『ハーレム』異世界といえばやっぱハーレム、女の子ふたりゲット、しかも片方は巨乳、ぐへへ「勇者様?」あの、笑顔で杖向けないでくだ
「こんなひょこっと出てきた子を安易に信用されるのはいかがかと。魔王の刺客の可能性も――」
「デネブちゃんはアルくんを取られちゃうかも、って心配なのね」
ふふっと笑うソアラに、デネブは見るからに動揺した。
「誤解を招くようなこと言うのやめてよね。私は勇者様の使徒として忠告しているだけよ。だいたい、あんた、人間の年齢に換算したら私より年下でしょ。大人なめてると許さないよ」
怒っているからか、デネブは顔を赤くしてソアラに反論した。エルフの女の子は余裕たっぷりの笑顔を崩さない。
「大丈夫。私はお似合いのふたりを邪魔だてするほどやぼじゃないから」
「だから私はっ」
デネブは頬を赤らめ抗議した。こっちまで赤面しそうだ。俺はごまかすようにデネブへ提案した。
「ひとまずソアラをパーティーに加えて様子をみよう」
「勇者様にもしものことがあってからでは遅いんです」
「おまえは俺を守ってくれるんだろう?」
「そんな鼻の下をデレデレ伸ばしたかたは守りきれません。こんないかにもな格好をしてていかがわしい」
軽蔑のまなざしをソアラに投げかける。他人の服装をおまえが言うか。
「俺の言うことには従うって言ったじゃないか」
「勇者様の安全をおびやかすことはその限りではありません。不審人物を近づけるわけにはいきません」
「不審人物って。こんなおっぱいの大きい子に悪い子はいな……あっ」
あわてて口をつぐんだ俺に、とうとう本音が出ましたね、とデネブはジト目で言った。
「そんな下心で不審者をパーティーに……」
「今のはものの弾みというか」
「そういうところに本心が出るんですっ。胸の大きいのがなんだっていうんですか!」
「デネブだってそこそこあると思うよ」
「私は関係ないでしょうっ。ちょっ、なに確認しようとしてるんですか!」
「皿持つな、皿っ。店の人に怒られるぞ」
魔法少女とエルフという組みあわせだけでも十分な注目をさらに十二分に集めるデネブと俺に、ソアラが遠慮がちに、あのう、と口を挟んだ。
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