タイトル:光のない雷

ごろごろと鳴る音で目が覚める。気付けば寝ていたようで、自室は真っ暗になっていた。私は覚醒仕切らない指先でスマホの通知を追った。

いろいろきている。画像加工アプリ、パフェ専門店の販促アプリに、地域の防災アプリからのゲリラ雷雨の注意喚起。その中から君からの通知を探す。

ないじゃん、ひとりでごちた。

夏休みがあるとこんなに人間関係も希薄となるのね。

ああ、夏が終わるよ、制服最後の夏が。

今年は何もなかったな。講習と家との往復。

窓を開けてやわらいだ熱を受ける。明日はもう少しは涼しくなるかな。

帰りの車窓からの稲の海は気付けば黄ばんでたな。

ねえ、私と残りの熱帯夜を数えてよ。

私は言葉にせず雷鳴に言う。

スマホが光った。

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