あのひとの足

あのひとの靴箱に

いや正確に言えば御靴

いえもっとつぶさに申しますと

靴の中敷きの下、

とてもみつかりにくいところに

私の愛を綴った小さな手紙を入れました。


あのひとは今

その靴を履いていらっしゃいます。


あの細く強くお美しいおみ足で、

私の愛は踏みにじられています。


私は今

細かく痙攣する己が身を抱き締めて

それを見ています。


ああ、あのひとの一歩一歩が、

最高にエクスタシーです

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る