水中花
一目見て、あなたの花のような美しさに魅かれた
気が付けば、私はあなたを連れ帰っていた
あなたは感情のない顔で、私を見ていた
私はあなたを水に沈めた
あなたは少し驚いたようで、でもすぐに暴れなくなった
あなたのつぶらな瞳は瞬かない
それから毎日、私はあなたを眺めて暮らしている
あなたを見つめていると時を忘れる
あなたの姿を損なわぬよう薬を使い、
水を取り替え、温度に気を遣う
光があたると、水底に映る輝く網目が
あなたを一層美しくする
あなたは私に気が付くと
薄い皮膚でできたひらひらを振りながら
近寄ってきて物言わぬ唇で言う
えさをちょうだいな
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