大嫌いだった運動会

私の両親は足が速かった

投げるのも打つのも跳ぶのもうまくて

子どもの頃は二人とも

一目置かれていたらしい


そんな二人から生まれた私は運動が苦手

走っても投げても打っても跳んでも

何をやってもダメだった

物陰で本を読んでいる方が好きだった


運動会ともなると二人は私を責め立てた

なんでいつもびりっけつなのか

フォームがみっともないのか


家族と一緒に食べるお弁当の時間は

本当に地獄だった

涙をぽろぽろ流して食べた、

運動会のお弁当の味を私は思い出せない


私はそれでも一生懸命やったのに


今は私がおかあさんになった

娘は私にそっくりで運動が苦手

私は運動会がどんなにつらい行事だかわかっているので

娘がどんなにもたもた走っていようと

絶対に責めないし圧をかけるような励ましもしない


ああ、私の娘なんだな、とくすっと笑うだけ

一生懸命やっている姿はとても可愛い

責めるなんてとんでもない


朝早く起きて作ったお弁当を娘がおいしく食べて

大人になったとき懐かしく思ってくれればいいな

運動すべてを大嫌いになってしまわなければいいな


それが、私の心からの願い

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