不良生徒と気弱な生徒が入れ替わる

@noritaka1103

第1話 雷雨

「予報通り、雨が降り出しましたね。皆さん、傘はお持ちですか?忘れてしまった!という人は職員室に来て傘を借りて下さい。

限りがあるので譲り合って使いましょう!」


帰る間際に夕立ちが来てしまった。たまたま傘を持っていたので足早に帰ろうとした時、あいつ(不良生徒)の声が聞こえた。

「傘持ってんのか。入れさせてくれんか?傘の争奪戦に負けたわ…。」


あいつは、傘の争奪戦に負けたのにもかかわらず、何故か機嫌が良かった。

普段なら、ご立腹で殴る・蹴るの暴行を振るわれるが今日は全く、そのような素振りは見せず違和感を感じた。


「なぁ?お前と喋るのって初めてだよな?いつも、物静かだから何考えてるのか分からなかった。

喋るのが怖いか?同級生で同じクラスメートなんだから少しは頼ってよ。」

と優しい口調で話し掛けてきた。


「喋るのが怖いワケじゃ無いですよ?単に苦手なだけです。

余計なことまで発言しそうで、極力避けているんです。

別にクラスメートが嫌いなワケじゃないですからね。」

「俺だって、ついつい余計なことを言ってしまうことあるぞ?誰しも、余計なことは言ってしまうもんだ。一人で抱え込むなよ?

みんなが居るし、一人じゃねえだろ。クラスメートを信じろ!」


雑談をするうちに雨はあがっていた。

「雨は止みました。まだ、雷鳴はしてますが大丈夫でしょう。」

そんな事を言ってられるのも今のうちだった。

鉄筋の橋を渡っていた際、二人の頭上に雷が被弾。

二人はまともに雷を食らい、意識を失った。

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