自分の作品集めてみた
空白症候群
こちらめちゃくちゃ青春する部です
青春とは!人生の勝者だけが体験することが出来るもの!恋人を作ったり、部活に打ち込んだりすることである!
「もう七月なのに!何でこんなビューティフルなオレに彼女がいないんだ!」
学校の休憩時間。オレの名はスーパービューティフルマンこと
幼馴染である
「明らかにその性格だろ」
「一体オレの性格のどこに問題が!?」
「全部だな」
「酷い!」
冬夜は何も分かってはいない。これだから勉強しかできないアホは嫌だ。
「とにかく!オレはどうしてこんなことになったのか原因を徹夜で考えてきた!……その後寝たけど」
「じゃあそれ徹夜じゃねぇよ」
「うるさい!聞いて驚け!」
その呆れた顔を今すぐ、感服させて土下座させてやるぜ!
「問題点1!オーラが凄すぎる!」
「お前それマジで言ってる?」
「当たり前だろ!」
おかしい……冬夜の呆れた顔に拍車がかかった。
「次だ!問題点2!冬夜と一緒にいるから!お前目つき悪いし、オレももしかしたらそっちの筋の人に間違われている可能性がある!」
「じゃあ友達やめるか?」
「嘘です!」
ふぅ……危うく友達無くすところだったぜ。
「じゃあ問題点3!出会いがない!」
「ここ共学だしなんならそこら辺にいる女子話しかければいいだろ」
「そんなの恥ずかしいだろ!」
「なんでそこはシャイなんだよ」
チャラ男みたいなこと言いやがって……。
オレのオーラで怖がらせてしまうことがある以上、話しかけることなどできないのは明白だろう。
「てか、問題点これしかないぞ……?」
「流石に嘘だろ」
「マジなんだが」
最早呆れた顔を通り越して、同情しているような顔をこちらに向けてくる。
「出会いがないとかなら部活入ればいいじゃねぇか。唯斗帰宅部だろ?」
「でも、今更部活に入っていくって『いきなり来てこいつ何なんだ』ってならないか?」
「何で根拠のない自信はあるのにそういうところはシャイなんだよ」
やっぱり才能を持つものは疎まれてしまうからな……。才能を持つのも罪かもしれないと自分の偉大さについて考えていたら、冬夜が口を開いた。
「じゃあ、お前が部活作ればいいじゃねぇか」
「それだ!」
オレは早速行動に移そうと職員室へ向かった。
「ふぅ……とりあえず部活の申請書は貰った。後は冬夜とオレの他に誰が入るかだな」
担任から申請書を貰い、良い人がいないか周りを見渡しながら教室へと向かう。
最低人数は3人だから、後一人探せば部活は成立する。
探しているうちに教室へ着いてしまった。そんな簡単に良い人はいないものだ。
ドアに手をかけた時、教室から言い合いをしている声が聞こえてくる。
「またやってるのか……」
「普通は『ありがとうございます美憂様』でしょう?河本 冬夜!」
「何でお前に様つけなきゃいけないんだよ」
「ワタクシの存在が偉大だからに決まっているでしょう?」
「何で俺の周りはこんなナルシストみたいな奴ばかりなんだ……」
今度はオレが呆れる番だ。
オレの幼馴染兼奴隷の冬夜とお嬢様である
事の発端は冬夜の方が、神楽坂よりテストの点が高かったから。それ以来神楽坂は何かと冬夜に絡むようになった。
近寄り難いが、席に座るためには近づくしかない。
「おう、初代ナルシス帰ってきたか」
「オレはナルシストでも何でもない。ただ本当のことを述べているだけだ」
「本当に自覚ないのな」
俺が素晴らしい人間だという自覚なら嫌という程にしてしまっている。
「ワタクシの事を無視しないで下さいますか!?」
神楽坂の顔は真っ赤になっている。無視されたのが余程悔しかったのだろうか。
「まだこれ以上なんかあるのかよ?」
「別に無いけど……とにかく次のテストでも勝負よ!」
「はいはい、どうせまた俺が勝つよ」
「本当に腹立つ人ね!」
側から見たら結構仲良しだ。これぞまさしく、喧嘩するほど仲が良いという奴だろう。
そういえば風の噂で、神楽坂は冬夜のことが好きだと聞いたことがある。
冬夜が好きなんて趣味悪いと思っていたが、もし本当ならば神楽坂を部活に引き入れるチャンスではないだろうか。やはりオレ天才。
「なあ、神楽坂」
「何ですの!ワタクシは今イライラしているのだけれど」
「部活作るんだけどさ。お前も入らない?」
「嫌ですわ!何でワタクシが貴方なんかと……」
「冬夜もいるぞ?」
「何でナチュラルに俺が入ってんだよ」
神楽坂が冬夜という単語に反応してフリーズする。
しばらくフリーズした後、渋々といったように、
「ワタクシは河本 冬夜がいるのは嫌ですけれど?貴方がどうしてもというなら入ってあげなくもないですわ!」
案の定冬夜という単語に弱いらしい。
「よし、それじゃあオレと冬夜と神楽坂で部活を作ろう」
「部活の名前はなににするんだよ?」
「めちゃくちゃ青春する部!」
「ダサっ」
「入ってあげるなんて言わない方が良かったかもしれないわね……」
素晴らしすぎるネーミングセンスに嫉妬を受けつつ、部活の名前が決まった。
善は急げということで、放課後すぐに職員室に向かうことに決めた。
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