第5話

「わかっている」「知っている」。

 わかっている、知っている、という言葉で貴方は学ぶことを止める。

 何度聞いた話でも、内容でも、何度見た動画でも、関係ない。

 人間は、わかった『つもり』知っている『つもり』にしかなれないのだから。

 全てを把握しているのだと思い込んでおきながら、実際は未だに把握しきれていないものである。

 出産の動画を見せられて、男子は授業で得た知識通りであり、学ぶことはなかったと語るが、一方女子はその逆で、授業で得た知識以上の発見、得た知識にはないことを学んだと語る。

 これは男子には有り得ない未来であるがため、二次元のような感覚であるがため、余計にそうなってしまうが、女子は未来で体験することであるという意識がある。

 それが、まだ無意識の段階の話。

 わかった、知っていると思い込んだりするから、その先を望まない。

 得たものが全てではないことも知らず。

 新たな発見を探そうともしない。

 常に思うことだ。

『つもり』でしかいないことを。

 望めばそこにあるかもしれない。

 探せば何処かにあるのだろう。

 なんでもないさ。

 気にするな。

 別に大した話じゃないし、大概の人間はそういうもので。

 貴方一人が望んで探したそれが、貴方に誰かに役立つかもわからない。

 気にするな。

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