第38話 アイディアがなければはじまらない

 どうでしょう。みなさんは身に覚えがないでしょうか。初心者の頃の方がアイディアが湧いてきた、というようなことは。わたしはおおいにあります。


 初心者というか、小説を書きはじめる前の方がよっぽどアイディアが豊富でした。何かに触れる度、読む度、何らかのアイディアが生まれたものです。それはもちろん、いまとなっては取るに足らないアイディアかもしれませんが、アイディアの何よりも重要な点は書くための足がかりになるという点だと思います。足がかりさえできれば、後はテクニックでどうとでもごまかせるものです。その意味ではアイディアというのはいくつあっても困らない。創作においてなくてはならないものだと思います。


 では、なぜアイディアが枯れるようになったのか。それは、変な部分で冷静になってしまったからだと思います。アイディアの質、また自分の趣味、技量などから実際にそれで作品が書けるかどうか篩い分けているうちに、浮かばなくなったのだと。


 アイディアがなくてははじまらない。わかっているはずなのにアイディアが浮かばない自分がいます。最後に作品を構想したのはいつになるでしょうか。もうずいぶんと前のような気がします。

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