第47話 鼎談

「君がメシヤくんだね」

「お初にお目にかかります、鷹山さん」

 イエスの自宅応接間にて、メシヤと鷹山が対面している。その二人の斜め45°にイエスが座っている。


「驚いたよ。ロックフォーゲル大統領と会ったそうだね」

「ええ、ナイスガイでしたよ」

「君のことを色々調べさせてもらったよ。気を悪くしないでくれ」

 申し訳ないといった表情で軽く頭を下げる鷹山。

「政治家の先生が一般人と会うときに身元を洗うのは当然のことです」

「ありがとう。理解が早くて助かるよ」

 顔がほころぶ鷹山。


「鷹山さん、きょうお越しいただいたのは、あの件ですね?」

 イエスが仲介役をする。

「おっと、そうだった。ロックフォーゲル大統領が特別視しているメシヤくんに、私も大いに興味を持った。イエスくんからも、メシヤくんは面白い人間だと聞いている。固くならず率直な意見を聞かせてほしい。政治だけじゃなく、困っていること、悩んでいること、なんでも話してもらって結構だよ」


 メシヤは三度軽く頷いたあと、こう切り出した。

「鷹山さんのご著書、『世界改造計画』を読ませていただきました」

「おお、若いのに感心だね」

「あれは故・田仲たなか総理の御意志を継いで更に発展させたものだと思います」

「その通りだ」

「鷹山さんも元々は保守党でしたね」

 イエスが補足説明をする。


「そう。田仲のオヤジがいたときは保守党も健全だった。だが、オヤジが死んでからというもの、党内は悪巧みをする連中を抑えられなくなった。そして今の有様に至るという訳だ」

「ロックフォーゲル大統領就任で風向きが変わったのではないですか?」

 イエスも政治の話題にはのめり込む。

「うむ。確実に変わってきている」

「詳しくお聞かせ願えますか?」

メシヤが問う。

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