異世界を魅了するファンタジスタ 〜『限界突破ステータス』『チートスキル』『大勢の生物(仲間)達』で無双ですが、のんびり生きたいと思います〜

668.ポイント交換、できるかも。

　ありがたいことに『絶対収納空間』という新しい『固有スキル』が増えた。

　そしてこれは、俺の魂の願望の現れとは関係ないかたちで発現したようだ。

　スキル名も普通だ。

　どうも俺の魂の願望が強く現れる『固有スキル』は、スキル名が微妙なものが多い。

　そして内容も微妙だったり、よくわからないというパターンが多いのだ。

　そんなちょっと切ない考えにふけっていたら……なんとなく『ポイントカード』スキルが気になってしまった。

　これも……俺が元の世界で、ポイントが貯まるのが好きで、ポイントがいっぱい貯まったらいいのに、ポイントで買い物できたらお得だ……みたいな、そんな心の願望を持っていて、それが『固有スキル』として現れたものだろう。

　最初に見た時は、そんな庶民的な願望が少し恥ずかしく……ちょっと落ち込んでしまったスキルである。

　この『ポイントカード』スキルは、普段あまり気にかけることはない。

　俺か仲間が新しい『通常スキル』を入手したときに、『共有スキル』にセットする為に、この『ポイントカード』スキルの『ポイント交換』コマンドを使って、スキルレベルを上げて、一気に10にしている。

　もっぱらその時にしか使うことはないのだ。

　ただ、このスキルのお陰で、スキルレベルを上げるという、通常ではかなりの時間と経験を要することを、一瞬でできてしまうのだ。

『通常スキル』限定ではあるが、取得した瞬間にこのスキルを使って、一気にスキルレベル10にできるのは、はっきり言って超チートだと思う。

　普通の人族では、一生かかってもスキルレベル10には到達しないらしい。

　人族の中では……どんなスキルでも……おそらくスキルレベル10という時点で、ちょっとしたチートだと思う。

　長命な妖精族でも、スキルレベル10というのはかなり難しい領域のようだ。

　ニアやサーヤを、見ていると、結構効率よくスキルレベルが上がっているし、自力でスキルレベル10に到達していると思うのだが……。

　そういえば前にニアが言っていたが、レベルアップ効率がかなりいいらしい。

　なぜか……俺と一緒にいるからではないかと言っていた。

　その意味は微妙によくわからなかったが、確かに『促成栽培』スキルとかもあるし、いろんなものが影響を与えている可能性はあるんだよね。

　まぁいずれにしろ、本来難しいスキルレベル10に、この『ポイントカード』スキルのお陰で一瞬で到達できるのは凄いことだ。

　しかもポイントが貯まる一方で、使い切れないくらい溜まっている。

　この『ポイントカード』スキルは、使用した金銭の1%ポイントが貯まるのだ。

　土地など大きな買い物をすると、それだけでポイントがめっちゃ貯まるのだ。

　一千万ゴルの土地をかっただけで、十万ポイントも貯まるのだ。

　そして、『フェアリー商会』を立ち上げて、人を雇用して給料を払っているだけで、お金を使ったことになるから、膨大なポイントが貯まっていくのだ。

　100ポイントを使って、スキルレベルを1つ上げることができるのだが、『通常スキル』を取得して一気にスキルレベル10まで上げても、900ポイントしか減らないので、ほとんど減ってないのと同じなのだ。

　貯まっているポイントが膨大すぎて……もうこのポイント数だけで、ちょっとしたチートだ。

　普段あまり意識を向けることがないが、このスキルは、地味に、めっちゃチートなスキルなのだ！

　そして、いつも使っている『ポイント交換』のコマンドの中には、スキルレベルを上げるだけじゃなくて、ポイント交換で新たなスキルを取得するという凄技もあるのだ。

　ただこれは、『ポイント交換』の『交換リスト』に表示されているものしか交換できない。

　そして今までは、ほとんど『交換リスト』にスキルが表示されていなかったのだ。

　俺が取得している『通常スキル』は自動的に省かれるようで、俺が未取得のスキルのみリストに載るらしい。

　ただ『交換リスト』に載るための条件が厳しいのだ。

　スキル説明には……『第三者のスキルを確認または体感することによって、交換リストに選択スキルが追加される』……と表示されているのだが、これの具体的な条件がよくわからないのである。

　“スキルの確認”とあるから、『波動鑑定』でスキルの詳細表示を確認すれば良いのかと思ったが、それだけでは追加されない感じなんだよね。

　だから、たまに確認しても『交換リスト』に何も表示されていないので、もう最近は見ることもない状態だった。

　これは俺の予想だが……体感することが重要なのだと思う。

　そして、確認というのも、スキルの詳細説明の確認だけでなく、そのスキルのことを知ることが重要なのかもしれない。

　そのスキルが使われる過程をつぶさに観察するとか、そういう確認が必要なんじゃないかと思うんだよね。

　まだ試していないが……体感ということについては、攻撃系のスキルのように俺が体感しやすいものは、『交換リスト』に乗りやすいのかもしれない。

　ただし、そのためには敵の攻撃をあえて受ける必要があるのだが。

　逆にスキルの内容的に、自分が体感できないようなものについては、確認というかたちで間近でそのスキルが発動する様子を見ることで、リストに載る可能性も出てくるのではないだろうか。

　前にも、こんなことを考えたことがあるのだが、そのままになっていたのだ。

　一度何かで試してみればいいんだけどね。

　そんなことを考えながら、『ポイント交換』の『交換リスト』を開いてみると……なんと！　交換できるスキルが表示されている！

　そしてそのスキルは…… 『戦闘負荷筋肥大（バトルパンプアップ）』だった！

　これは、溺愛オヤジことビャクライン公爵が所持しているレアな強化系の『通常スキル』だ。

　なぜかそれが表示されている。

『戦闘負荷筋肥大（バトルパンプアップ）』は、戦いの中で負荷がかかると、それに応じで筋力と『攻撃力』が上がるという脳筋なスキルだった。

　このスキルは……名前からして脳筋な感じだが、中身はすごくいいスキルなんだよね。

　窮地に追い込まれても、その戦いの中での負荷により、攻撃力が上がるという少年漫画のヒーローみたいな、諦めない戦いができるスキルなのだ。

　それこそ『勇者』に向いているようなスキルなんだよね。