匕に火に焦げた僕

匕に火に焦げた僕

燃え尽きた木偶の坊

動けない黄身に振られ

茹でた卵は孵らない

操り人形はとうに

自由に駆ける足を獲た

赤い糸を手繰り

繋がれた鎖は話さないけど

朽ちた縄を架け一緒に逝きたい

最期に効いて欲しい

奇しくも余韻に酔いながら

さようなら

いとおしいひと

世の宵に未練の翳ゆらゆら

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る