『全能の神』への挑戦
【登場人物紹介】
◆5次元少女ネイピア
自称『私』
二つ名は『完析の魔女ネイピア』
裸の特異点の反対側にほんの一瞬だけ存在する
鏡宇宙内からは時間が無限に引き伸ばされているように見える)
その鏡宇宙を代表する5次元少女が今回の主人公。
薄い金髪ストレートの髪にゴスロリファッション。
言葉遣いは一見丁寧な感じもするが、常に上から目線で毒も吐く。
しかし、得意の頭脳で幾度も仲間のピンチを救うなど点数稼ぎに抜かりが無いため、憎めないキャラクターでもある。
◆5次元少女
自称『わたし』
二つ名は『神速のアイリス』
地球を含んだ宇宙を代表する15歳の5次元少女。
『心層科学ファンタジー5次元少女』のヒロイン。
光に関係する能力を使うことが出来る。
虹色の桃割れストレートロングヘアーの髪型
(※愛理栖及びリトル愛理栖の状態の時は水色)
ピンク色の着物を着て、
果てしない長さの天女の羽衣をまとっている。
◆全知全能の神さま
文字通り全知全能の神で、白く長い髭を生やした老人の姿を5している。
次元少女愛理栖と力比べ勝負をしていたところ5次元少女ネイピアに割って入られる。
※登場人物紹介おわり
◆本文◆
その5次元少女達の中に1人、天才的頭脳自体を自分の異能とする5次元少女ネイピアがいる。
「うそぉー!?
どうしてー???」
「アハハ、無駄じゃよ。
無駄無駄無駄〜!」
「どうして?
わたしは確かに光の速さで遥か宇宙の果てまで逃げ切ったはずなのに〜!!」
「惜しかったな〜お嬢ちゃん。
『追いかけっこでワシから逃げ切れたらそなたの勝ち』
というこの勝負、お嬢ちゃんも珍しい能力でなかなか頑張ってたと思うぞ。
じゃが勝負は勝負じゃ。
どうやらこの勝負、ワシが勝ちのようじゃのう♪」
「キィ〜!!
く、悔しぃ〜!!!」
「どうしたのよアイリス?
キーキー鳴いたりして……」
「あ、ネイピア!」
「前々からあなたの頭を心配していたのだけど、
しばらくみない間に猿レベルにまで知能が退化していたのねぇ」
「ネイピア酷〜い!」
「あなたがアホな事やってるからよ!
何をしていたのよ?」
「そうそう!
聞いてー、ネイピア?
わたしね、このおじいちゃんと勝負してたんだ。
最初は『絶対に持ち上げられない石』をどちらが先に持ち上げられるかってやつ。
そして、次は追いかけっこ!
わたしが先に逃げて、おじいちゃんから逃げ切れたら勝ちって奴!
だけどねー、わたしどっちも負けちゃったんだー!
絶対に持ち上げられない石の件はともかく、
わたしの1番の特技である光速移動『神速』には誰もついて来れないハズなんだよ〜!」
「まあそれは確かに言えるわね。
あなたの神速に追いつこうとする者は、
物理的存在である限り未来や過去に行ってしまう。
例えば私達5次元少女とかの抽象的概念の存在でも無い限り現在に張り付いたまま光の速さで移動してあなたに追いつくことは絶対に不可能」
「でしょ!?」
「それにしても、あなたは本当に馬鹿ね。
知ってた……けど。
勝ちたいと思ったらもっと身の周りの状況を上手く利用しなさい!」
「身の周り?
それってどういう意味?」
「アイリス?
あなたの足りない頭では理解できなくて仕方無いわ。
私があなたの代わりにこのおじいさんと戦ってあげるわ」
「戦うって、どうやって?
ネイピアは作戦を考えることしか出来ないよね?
一対一の勝負だから、ネイピアの作戦でわたしがおじいちゃんと戦う訳にもいかないし……」
「ねえアイリス?
あんたの能力を借りるなんて、私そんなこと一言でも行ったかしら?」
「え?
え〜と、言っ、言って無い……ね、アハハ」
「もちろん私とおじいさんの一対一」
「勝負の内容はどうするの?」
「わしは既に二勝しておる。
わしは紳士じゃからな。
ハンデとして勝負の内容はお嬢ちゃん達が決めなされ」
「なんか舐められているみたいで気分が悪いわ!
全く、アイリス、あなたがしっかりしないから……」
「アハハ、ごめんネ♪」
「おじいさん?
勝負の内容はあなたが決めて!」
「え?
ちょ、ネイピア!
せっかくおじいちゃんがああ言ってくれてるのに勿体ないよ……」
「アイリスのお嬢ちゃんはああ言っておるが、
本当にわしが決めていいんじゃな?」
「ええ、いいわ!
勝負の内容はあなたが決めて」
「わかった。
だからってわしは手加減せんぞ。
え〜と、そうじゃな、ふ〜む、よし!
決めたー!
勝負の内容はこうじゃ!
『全知全能の神を倒せ』」
「ちょっとー!
おじいちゃん卑怯だよ!
わたしが2回勝負挑んで全く歯が立たなかったのに、そのおじいちゃんを倒すなんて絶対に無理だってー!」
「アイリス!
あなたは黙ってて」
「だって……」
「無理だったら、お嬢ちゃんが勝負の内容決め直してもいいんじゃぞ」
「いいえ、これで行くわ!」
「ちょっとネイピア……、本気なの?」
「アイリス?
私は今から集中するから少し黙りなさい」
「は、はい……」
ネイピアはショルダーバックの中からタロットカードを取り出し目を瞑る。
「アイリスのお嬢ちゃん?
このお嬢ちゃんは今何をしておるのかな?」
「わたしにも詳しくはわからないんだけど、
ネイピアが言うには占いを通じて全神経を集中させ必勝パターンを解析しているらしいの」
「ほぉー、占いとはまた不思議な能力じゃな」
占いの間、ネイピアを取り囲む様に、沢山の数式や図形が書かれた球状の帯が現れては、表示が刻々と変化している。
「解かったわ!」
そう言ってネイピアが目を見開くと、占いの間彼女を包んでいた帯も消えていた。
「わかったって、チートで無理ゲーなおじいちゃんを倒す方法がわかったの!?」
「ええ、そんなの簡単よ!」
「ほほう、お嬢ちゃんはチートで無理ゲーなわしを倒せると申すか!
お手並み拝見!」
「おじいさんは何もしなくていいわ。
すぐに終わるから」
「わしが何もしなくていい?
すぐに終わる?
一体どういうことじゃ?」
「『紙とペン、そして全知全能の神』
紙にはただ全知全能の神とだけ書けばいいわ」
「え?
ネイピア、どういうこと?」
「お嬢ちゃん、もしや……!」
「後は、この縦に全知全能の神と書かれた紙を縦に丸めて、文字が見える側が目の前に来るように置いて下の辺りにデコぴんするだけよ。
えい!」
『ずびしっ!』
『パタン!』
当然の結果だった。
ネイピアがでっち上げた全知全能のカミは、
彼女には一切抵抗することなくあっけなく後ろに倒された。
「倒した。
確かに、全知全能の神倒したね。
だけど……、ねえこれっておじいちゃん的にアリなのかな?」
「参ったわい!
お嬢ちゃんおめでとう!
この勝負、わしの負けじゃ!」
「わー!
ネイピアやったねー!
凄いじゃん!」
「いいから。
アイリス?
私は貴方と同類と思われておじいさんに馬鹿にされるのが嫌だっただけよ」
「何かちょっとムカつくけど、ありがとう、
ネイピア!」
「何よアイリス、あんたさっきからべたべたくっついて鬱陶しいわ!
私はあなたみたいに暇じゃないの!
用は済んだんだから、離れなさい!」
「もー!
ネイピアったら、わたしからソッポ向いて照れちゃって〜♪
ツンデレか〜ww
ねえ、ツンギレか〜ww」
「ほんとウザイ!
アイリスという真のラスボス相手には
私の頭脳を持ってしても駄目ね。
だって、言葉の意図を理解しようとする姿勢の無い人に頭脳戦は仕掛けられないのだから……」
終
書ける、読める、伝えられる。
カクヨムのサイトのキャッチコピーから僕は感じました。
文芸には無限の広がりや可能性があるんだなと。
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