第99話 窓越しの月

 満月ですらない。

 なんてことの無い欠けた月が西の窓から覗いている。

 青白い光が、影を作る。

 僕は眠れないまま、それをベッドでジッと見ていた。

 ゆったりと、月は空を上っていく。

 何故か、涙が溢れて仕方がなかった。

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