第24話 歳とりたくない
嬢を車に乗せてホテルへ向かう途中
おばあさんが横断歩道を渡っていた。
「歳とりたくない…」
ボソリと呟いた嬢
「生きるってことは、歳を重ねるってことだよ…」
「うん…でも怖い…」
「不思議な人だよね…本番強要もしないし…優しい」
「そう…」
「うん、でもそういうトコ好き…」
「客としてだろ?」
「客としても…かな」
鏡の前で自分の肢体を確認するように見ている嬢。
「スタイルいいと思うけど…」
「ううん、そんなことない…今に崩れる…ソレが怖い…」
「あのね、女の人は年齢が若ければいいってもんじゃないよ、歳相応の綺麗さを持っている人が美人の条件だと思うよ、容姿だけじゃないと思うけど…それに美人だと思うから呼んでるんだけどね僕は」
ハーフみたいな顔立ち、背の高い嬢。
やはり、こういう商売をしていると年齢は気になるようだ。
若い子はいくらでも入店してくるのだ。
いつか…いつか…自分の商品価値が落ちていくことを不安に感じる気持ちは解るのだけど、どこか老人に対しての嫌悪を孕んだ目が、とても悲しく怖かった。
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