二百六十三話行為後

「いやぁ・・・・・・たまんなかったなぁーーーー。フォルス方はどうだった?」


「本当に・・・・・・忘れられない程最高な体験でした。ソウスケさんから頂いた飲み物の効果もあって時間一杯まで楽しませて貰いました」


「そりゃあ良かったな。俺も時間ギリギリまで楽しんでいたよ」


数十分前の出来事を思い出し、ソウスケは頬をだらしなく緩ませる。


(あの人、リアラさんとはまた違ったエロさがあったというか・・・・・・見てると自然と息子が元気になった)


正直指輪の形状に姿を変えている蛇腹剣の力を借りずとも二時間、最後まで元気なままだったのではと思ってしまう程に褐色肌の美女はソウスケの性欲を刺激していた。


フォルスも相手をしてもらった美女に最高の初体験をさせて貰ったのか、何時もの貴族の子息らしい責任感尾ある表情は一切なく、ゆるゆるのゆるゆるであった。


二人は現在酒場に入って適当に飲み物を頼んでお互い体験した感想を話し合っていた。


「こう、自分を包み込んでくれるような抱擁感がたまりませんでした」


「あぁ・・・・・・それは解る。俺もそういうタイプの人を抱いたことが有るからな」


「そうなんですか!? 流石ですねソウスケさん」


「お、おう」


何が流石なのか分からなかったが、一先ず適当に相槌を打つソウスケ。

おそらくフォルスは最高の初体験を得た事でいつもより興奮して寄っていたるんだろうと判断する。


「けどなぁ、こっちを昇天させようとガンガン攻めてくる感じの人もたまんないぞ。まぁ、俺も負けじとガンガン攻めてたけどな」


(そういうところを考えれば精力増大のスキルを使っていて正解だったかもな。使ってなかったら後半されるがままだったろうし)


見た目通りの行為だったが、それはそれで快感だったのでどちらにしろソウスケにとって得しかない。


「でも、あれだぞフォルス。あまり娼婦にはのめり込まない様にしろよ」


「貢ぐような事はするなって事ですか?」


「それもあるけど、娼館に行くためだけに依頼を受けて成功報酬を殆どそれに注ぎ込むような事はするなって事だ」


ソウスケは娼館・・・・・・ソープランドではなくキャバクラの話だが、嬢に貢に貢ぎまくって会社の金にまで手をつけた阿呆がいるとテレビで観た事がある。


バカバカしい。そう思ってしまうかもしれないが、それだけ相手に貢がす事に慣れている嬢にとってはルーキーをカモにする事など造作もないのだろう。

そう考えるとソウスケは少し背筋が寒くなった。


「お前にこれから辛い事もあるだろうけど、それ以上に達成感や喜びがある冒険者としての人生が待ってるんだ。だから娼館に行くのは息抜き程度にしとけ。というか彼女が出来たら行くのは基本的に止めとけよ。どこで誰が見てるか分らないんだしな」


カメラなど決定的な証拠が取れないこの世界。

なので人の噂は口伝えで広がっていく。

その噂が何時誰に伝わるかは分からないので、もうあの時の夜遊びは誰も覚えていないだろう、そう思っていた頃に危機が迫る。


なんて事が職業関係なくやってくる。


「特にお前は貴族の子息なんだ。長男では無いみたいだけど、もし仮に貴族の令嬢と結婚してから夜遊びがバレてみろ。相手によってはお前の行動は超束縛してくるかもしれないぞ」


「そ、そそそそれは中々に恐ろしいですね」


「だろ? 冒険者生活が軌道に乗って楽しむ余裕が出て来たところで後ろから背中をグサッと! ・・・・・・なんて洒落にならないぞ」


自分で言っておきながら前世でそれと似たようなニュースを聞いたのを思い出しブルッと震えていた。

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