百八十話即決は出来ず

「これがエアーホッケーという娯楽道具です」


「エアーホッケーか・・・・・・風魔法と何か関係があるのか?」


殆ど直感的に関係性が有ると考えたセルガ―にソウスケは本当に見る目があるなと感心する。


(そう言えば鑑定系のスキルとか持っているんだったか? まぁ、それは俺の想像でしかないが。単純に見る目があるのか。それとも新しく作るジャンルの為に思考が冴えているのか・・・・・・どちらも良い事ではあるんだろうな)


エアーホッケーの使用方法について遊び方や魔力の充電方法を簡単に説明したところで、興奮したセルガ―はソウスケに対戦相手になってくれと頼む。


特に断る必要はないため、ソウスケは力はセーブしながら十分程セルガ―とエアーホッケーを楽しむ。


遊び終えたセルガ―は随分とはしゃいだため、かなり息切れをしている状態になっていた。

呼吸を整え、体を落ち着かせたセルガ―は興奮が冷めない表情でソウスケに本当に店に売ってくれるのかを確認する。


「この、エアーホッケーを本当に店に売ってくれるんだな? 正直これほどまで楽しめる娯楽道具の値段を聞くのが少し怖いが」


「勿論お売りしますよ。ただ、先程話した通り材料に使っている物が集めるのにかなり時間が必要なんで、試作品でもただで売る訳にはいきません。トーラスさんがこれを買うのに白金貨五枚をだしてくれたので、それ以下の値段で売る事はなんというか・・・・・・トーラスさんに申し訳ない気がするので」


「そうか・・・・・・いや、君が言っている事は正しい。そこを気にする必要はないよ。しかし白金貨五枚か・・・・・・」


顎下で手を組みながらセルガ―は目を閉じて考え込む。


ソウスケが作りだしたエアーホッケーは確かに楽しいと実感できる娯楽だった。

普段あまり動かない自分にとって外に出ずとも運動出来る物でもある。


風を吹き出す為に必要な魔力も用意できる。


(是非とも欲しい娯楽道具だ。客の相手で疲れている娼婦のストレスを発散出来るかもしれない)


しかし白金貨五枚と、中々に高い値段に対して即決で買おうという決断には至れなかった。

だが、数分考え込んだ末、セルガ―はエアーホッケーを買う決意をした。


「丁度白金貨五枚だ。受け取ってくれ」


「はい。丁度白金貨五枚を受け取りました。それで持ち運びに関しては魔法袋があった方が移動しやすいと思うんですけど、そこは大丈夫ですか?」


「ああ、このサイズが入る魔法袋ぐらいは数個ほど持っているから安心してくれ」


「分かりました。それと、これから自分はダンジョンに行ってトレントの木を取りに行くんですけど、その木で作った持ち手は必要ですか? 冒険者等が使用すると持ち手が凹んでしまうというか・・・・・・潰される可能性があるかもしれないので」


一緒に楽しむが相手が娼婦と言う事で、エアーホッケーの台が壊れる事は無いソウスケは思っているが、テンションが上がってつい持ち手に力が入って結果、使い物にならなくなる可能性は無くは無いと考えた。


「・・・・・・確かに一理あるな。分かった、ダンジョンから帰って来たらそれも是非買わせてくれ」


「有難うございます。あと、エアーホッケーは完全に俺のオーダーメイドになるので必要になったらトーラスさんの商会に伝えてください」


「・・・・・・確かにこれに使われている素材となれば、冒険者である君しか余裕を持って作る事は出来ないだろうな」


セルガ―も魔石は何度も見た事はあるが、本当に小さい。

そんな小さい魔石をいくつも合わせて板状にして風を吹き出すようにする。


それまでに必要な量を考えるとセルガ―は眩暈を感じる。


「それじゃ、そろそろ俺は帰りますね。くれぐれもはしゃぎ過ぎて翌日筋肉痛で仕事が出来ないなんて事にならない様にしてくださいよ」


「ふふふ、それぐらい分かっているよ。今日は本当に来てくれて有難う。それと、お礼と言ってはなんだが・・・・・・リアラに唯で君の相手をさせよう」


セルガ―の言葉にソウスケはリアラとの行為を思い出し、急速に息子が元気になっていく。


それからソウスケは一時間程リアラとの行為を楽しんだ。

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