第39話不満?

(どうやって、て言われてな。最初から魔力操作のスキルが、レベル五もあったおかげもあるだろうな。後は・・・・・・蛇腹剣と一緒だよな。右手と左手で違う動作を出来る様にする。それか・・・・・・並列思考を出来る様にする? とかか。まぁ、並列思考は頑張って得られる物は知らないけどな。どっちかと言うと才能の部分が大きいだろうしな。説明は、アガレスにした蛇腹剣の説明と一緒でいいか)


言う事が決まったソウスケは、ボアの肉を食べながら説明した。


「右手と左手で違う動作を出来る様にする、それが一番の近道だと思いますよ。口で詠唱しながら、体を動かす。規模が少し変わってしまいますけど、似たようなものですよ」


「右手と左手で違う動作を・・・・・・なるほど、確かに理にかなっている気がする。情報提供有難う。お礼にこれ上げる」


ニーナは自分の皿から肉を一切れを、ゼルートの皿の上に置いた。


「はは・・・・・・有難うございます」


「なるほどね・・・・・・そういった考え方もあるんだ。あれ? 確かアガレスに君が持っている武器、蛇腹剣の説明をする時も、同じことを言ったんじゃなかったかい」


ライガンの言葉に、ソウスケはアガレス達は全部話したんだなと思った。


(まぁ、別にどれかに言うなとは言ってなかったしな。でも、俺的にはあまり言わないで欲しかったな。っと、後悔しても仕方ない。今度会った時に伝えておこう)


取りあえず、今度アガレス達にあった時に、口止めしようとソウスケは思った。

そして、ライガンの言葉に誤りは無いので、そうだと伝えた。


「そうですよ、体を動かそうとするのと、剣先を動かそうと意識を二つに分けなければ、扱いにくいですからね」


「なるほど。確かに平行詠唱を練習する内容と同じだね。というか、本当にそんな剣があるんだね。確かおじいさんから貰ったマジックアイテムなんだっけ。確かにマジックアイテムなら、ソウスケ君が持っている様な形状の剣でなくても、斬る途中に剣先を変えたりすることが出来る剣はありそうだね。はぁ~~~、僕もそう言った剣が欲しいね」


ライガンは自分の剣を見ながら、不満げに呟いた。

だが、そんなライガンを他の三人がジト目で見ていた。


「一人だけマジックアイテムの武器使っといて何言ってんだよ。俺らのパーティーでマジックアイテムの武器使ってんの、お前だけなんだぞ」


「そうよ。レア度2でもしっかりとした効果が付いているのよ。不満があるならその片手剣を売ってお金に変えても良いのよ」


「ガインの言う通り。ライガンは贅沢。私達のランクでマジックアイテムを持っている冒険者は、そういない。不満があるならマーサの言う通り、売ってしまった方が良い。私は元々そっちに賛成だった」


三人から非難の言葉を受けたライガンは、何も言い返せず、言ってしまってから失言したと気づいたのか、気まずそうにエールをちびちびと飲んでいる。


ライガンが持っているマジックアイテムが気になったソウスケは、マジックアイテムの片手剣の性能を、ストレートに聞いた。


「ライガンさんが持ってる片手剣って、どんな効果があるんですか?」


ソウスケの単純な質問に、ライガン達は一瞬考え込んだ。

自分達の力の情報は極力漏らさない事が、冒険者の中では基本的に良いとされている。

勿論、自分達の力が広まることで、大きなパイプを作ることが出来ることもある。

だが、自分達の力を狙る者が出てくる事も珍しい事ではない。実際に愛用している武器を狙われて、命を落とした冒険者も存在する。


そう言った理由で、ライガン達はソウスケに自分の武器の性能を話すのを一瞬躊躇ったが、自分達だけソウスケから情報を貰って、自分達の情報を話さないのはソウスケに悪いと思い、話すことにした。


「僕が使っている、片手剣の性能は切れ味と速度上昇さ。片手剣に魔力を込めると効果が発動するんだ。上昇の限度はあるけど、毎回世話になっているよ」


「確かにそうだな。この前偶然会ったブレイグリズリー会った時も、そいつのおかげで逃げ切れたしな」


ガインは笑いながら、マジックアイテムの片手剣のおかげで助かったエピソードを話した。

ガインは笑い話のように話しているが、マーサとニーナにとっては笑い話では済まされない話だった。


「笑って言うようなことじゃないわよ。ブレイグリズリーはランクCのモンスターなのよ。目が合った瞬間、本当に死ぬ覚悟をしたわ」


「マーサと同意見。あの時私達は死んでいても可笑しくはなかった。無傷で帰ってこれたのが不思議でたまらない」


二人の思いを聞いたソウスケは、苦労するところはしているんだなと思い、苦笑いしていた。

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