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  • 『この数年の間で、私は無理に大人になろうとしすぎたように思う。』
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    『あってもないようなプライドを大事に大事に抱きしめちゃってバカみたい。バカみたいっていうかバカ。だってマナミにタクローのちんこと童貞を奪われたせいでやっと気付くんだもん。』
    までのくだり、とても共感したと言うか、芯を突いた言葉でいいなと思いました。
    大人って、賢くなっていく代わりにどんどん不器用になって行くよなって思いました。

    この描写以外にも、他にもいろいろ、それこそ数えきれないほど「いいなあ」と思える描写はあって。でもすべてが繋がっていて、「ここが良い」とピンポイントで言えないのが申し訳ないというか、悔しいと言うか。
    描写に連続性があって、ずるずる引き込まれるんですよね。それで、男なんですけどこの桜と言う女の子に感情移入してしまって、タクローに対する思いとか、完全に重なっちゃったし、あら私男の子もいけるのか知らんとか思ってしまった次第です。

    より高次元に神は居て、四次元からすれば三次元の我々はキャラクターなのだという理論は、頷きました。良いですよねこの考え方。私も好きです。私はSFとか読まないんですけど、SF好きの知人がそのようなことを言っていたので。ああ、ハルさんSF好きなんだなって思いました。

    桜さん絶妙に純粋でエロくて良いなって思います。リアルな女性ですよね。こんだけ生々しいのに、魅力を感じるのは、生の女性が醸し出す魅力を、斉賀朗数さんが知っているから描けるんだろうなあイケメンと思いました。

    ちんちんはちんこになって、最後は全然神聖なものを感じなくなったけれども、でもそれでも価値は変わらないのかなって思いました。
    例えば子供の頃に信じていたサンタクロースは、本当はいないんじゃないか疑惑からの、やっぱりいねえじゃねえか確信に変わっても、んでもサンタクロースってものの存在を概念として受け入れる行為とその意味や価値ってのは変わらないと思うから。まあドキドキ感とかは無くなりますけど。

    あの扉を開けるシーン。タクローに会いに行けたと思ったら、オートロックだったって言うオチ。あの現実に引き戻されながらも、でも感動を胸に去来させる感じがとてもいいなあと思いました。
    本当に行くのかと思ってましたし。こっちは準備は出来てたので。

    最後、もうめちゃくちゃ現実的でしたよね。わかり易く、神聖さのかけらもない、どっちかと言えば低俗とも言えるほどのやりたいカップル。この、脱力感と言うか、当たり前に在る日常を貪る権利みたいなのを、ようやく二人は手に入れたんだよねって思うと、こっちとしてはめちゃくちゃ感動するわけですけど。この感動、他の人にも伝わっていますようにって心から思います。

    ファンタジー度が高い作品なのに、現代ドラマとしてのていを保たれているし、これはいったいどういうマジックなんだと思いました。全然違和感なく、すべてを受けれられました。この技の妙を、なんとか自分のものにしたい所存です。

    純文学ってやっぱり難解でよくわからないのですけど、的外れな感想になってなければいいなって思います。今更。
    長文失礼しました。あと、ご紹介いただいてから、大変時間が過ぎてしまい、申し訳ありませんでした。確かなる、おちんちん小説。堪能させて頂きました。ありがとうございました!