掻痒
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青春
クソみたいな青春だと思う。やたら声のデカいタレ目のブスと、そいつに愛想笑いの筋肉使い倒してるデブにその他有象無象が支配する昼休みの教室。友達なんか面倒なだけだからいらないよね。あたしはさっさとお弁当を保健室に持ってって、食べながら、同じクラスのキモオタがSNSで正論振りかざしてイキってるのを見てる。悲しいな。キモオタが匿名で正論振りかざしてイキってんのキモすぎて見てらんない。
「あはは」
ネット上でくらいDQNに勝ちたいもんね君は。ちゃんと親に愛されてんのかな?
「どうしたの?」
「ユーチューブ見てた」
「最近流行ってるよね。面白いの?」
「うん」
保健の先生は多分あたしのこと結構わかってる。愛想のかけらもないあたしに、柔らかく笑って、そう、って。ユーチューブなんか全然見てなかったのもきっとばれてる。
かわいくて病弱で休みがちなあたし。本当はただのずる休み。別に嫌われてないけど、きっと心根が腐っててみんなのこと死ぬほどバカにしてること、なんとなくばれてるだろうから好かれてもないんだろうな。自撮りしよ。
『友達一人もいないキモオタだから今日も保健室でお弁当食べてる』
根暗な人は社会に馴染めないかわいい女の子が好きだから、こういうこと言って自撮り上げると反応が多い。女の子大好きらしいコスプレイヤーの女子大生から『美少女すぎて草』ってリプライが届く。何が草なんだ。この人若干イタイんだよな。
あたしは一人っ子で、いとこもいなくって、一人娘だから小さい頃は親戚みんなのアイドルだった。何しても褒めてもらえて、ずーっとにこにこしてたのに、ニコリともできなくなっちゃった。本当はそのくらいできたのにしたくなくなっちゃって、そうしたら本当にできなくなった。あたしなんか間違えたかな。いつも散々人のことバカにしてるのに時々こういうこと考えちゃって、脳みそが痒くなってくる。
本当に嫌だ。なにもかも。みーんな死んじゃえばいいのに。
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