第12章【家族って良いよね!!】

第165話【キョクさんの家族】

最近ニョッキが大きくなって来たのでハックはキンに新しいポーチを頼んだ。

キョクとキンの部屋で出来上がりを待つハックとニョッキ。

そこに手紙が届いた。


「・・・キョクさんお手紙ですよ」

「俺に手紙?誰からだ?」


キョクが首を傾げながら手紙を見る。


「何と、ややからだ」

「誰?」

「キョクの弟よ、稍左衛門、略してやや」

「へぇ・・・それで何て?」

「ふむ・・・」


手紙を読むキョク。


「親父の事で話が有るって」

「???・・・如何いう事です?」

「さぁ・・・分からんな、またどうせ禄でも無い事だろ

それに関係無い事だし」

「関係無いって・・・家族でしょうに」

「俺と親父は仲が悪いんだよ、ややは親父を立てて家督を受け継いだんだが・・・

お、何だ、こっちに来るってよ」

「こっちって寮に?」

「俺はどっか行った方が良いですかね?」

「別に良いよ、キン、ポーチはまだ出来ないのか?」

「まだかかるかな」


長い時間に耐えかねてニョッキも眠り始めてしまった。


「あらあら・・・よっと」


キンがニョッキにハンカチを布団代わりにかけてあげた。


「にょぉぉん・・・」

「よしよし」


ニョッキをなでるキン。

そうこうしている内にややがやって来た。

ややはキョクに似ているがキョクよりも身形が整っていた。


「兄貴!!親父が見合いしろってうるせぇんだよ!!」

「知らねぇよ、何の話だよ一体」

「親父が知り合いの剣術家の娘と見合いしろって見合い話を持って来たんだよ」

「知り合いの剣術家ねぇ・・・」

「俺、もう結婚しているのに・・・」

「結婚している?何時?」

「5年前から」

「5年!?おいおい、その時俺も実家に居たが知らなかったぞ」

「籍は入れただけだからな」

「何だそりゃ・・・」

「兎に角その事を親父に言ったら兄貴の所に行くとか抜かし始めて・・・」

「どの面下げて追い出した息子の所に来るんだよ親父は」

「困ったもんだ・・・」


溜息を吐くキョクとやや。


「お茶入ったよ」

「あぁ、すみませんキンさん、兄貴とは如何なってます?」

「どうとは?」

「男女関係ですよ」

「おいおい、妖精と人間だぞ」

「愛さえあれば種族の壁なんて」

「体のサイズがそもそも違うだろうに」

「アタシのタイプは年下だからキョクとは合わないかなぁ・・・」

「所でそこの子は?」

「新入りのハックだ」

「ども・・・」

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