第10章【ミスコンでの激戦!!】
第140話【カホルの憂鬱】
都のBar【ストレンジ】にて酒を呑む二人の男。
一人はカホル、もう一人は無骨な男。
カホルがマティーニを一気に呑み干す。
「はぁ~」
溜息を吐くカホル。
「おいおいカホルよぉ、呑みの席でそんなに溜息ばっかりつくんじゃねぇよ」
「悪いわね、サイドレンジ・・・」
無骨な男の名はサイドレンジ、カホルのスタイリスト仲間である。
商売敵と思われがちだがサイドレンジは主に死化粧、死体に化粧を施すと言う
畑違いのスタイリストである。
「生きている人間に化粧するのは疲れるか?」
「いや、私に仕事を依頼してくる相手が何と言うか・・・その・・・」
「ブスばっかり?」
「惜しいわねデブばっかり」
(/ω\)<よんだー?、とBarのマスコットでぶ妖精が顔を出す。
カホルはでぶ妖精にピーナッツを放る
でぶ妖精はキャッチしてモグモグ食べ始める。
「でぶ妖精は可愛いけど別に病気でも無いのにデブなのは駄目でしょう
自己管理が出来ていない
そういう連中が金に物を言わせて私達みたいなスタイリストに頼んで
美人にして貰うって言うのは私、気に喰わない」
「まぁ分かるよ、俺も不摂生な死体を見ると
死ぬレベルで怠けたいのかって思う」
「かと言ってさぁ・・・美人に化粧するのも何か違うのよぉ
マスター、マティーニ御代わり」
「ほう?如何いう事だ?ジントニック追加」
「美人ってさぁ・・・化粧のしがいが無いのよ、元が良いからさ・・・
何やってもねぇスタイリストじゃなくて元が良いからでしょ・・・
って思っちゃう訳」
「なるほどな・・・『良いスタイリストの話』みたいな事か?」
「何それ?」
「『良いスタイリストは高給取のスタイリストだ
何故なら美にそこまで金をかける人は
自己管理を完全に熟せる美しい金持ちだからだ』って話」
「初めて聞いたわよ、それ・・・」
マスターから御代わりのマティーニを受け取り飲み干すカホル。
「でも良い仕事が最近無いのよねぇ・・・」
「病院にお抱えの俺は楽な仕事だよ、お前も鞍替えしたら?」
「いやよ、薄気味悪い」
「まぁ気持ちは分からなくもないが現状に不満が有るなら
変える努力はしておいた方が良いんじゃないのか?」
「変える努力ねぇ・・・」
ジントニックを傾けるサイドレンジ。
「まぁ考えてみるわ」
「それが良い」
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