第72話【ネジ探し】

朝、目が覚めたクハル。

朝食はベーコンとスクランブルエッグだった。

パンも付いて来ている、如何やら焼きたての様で自家製のパンの様だ。


「俗に言うモーニングって奴じゃな、個人的にはパンよりは白米が欲しい」

「醤油も欲しいな」

「でもコーヒーも付いているし我慢しようよ・・・って角砂糖が無いんだけど」

「おでぶちゃん・・・」

「ほほぅ、ハック、確かに食いしん坊を疑うのは正しい選択かもしれない

しかしここは法治国家証拠も無しに人を疑うのは失礼に当たるにょ

何か証拠でも有るにょ?無かったらそのベーコンを頂くにょ」

「じゃあ何で昨日より倍近くでかくなっているんだよ」

「論 破ぁ!!」

「じゃあマシュマロを入れるか」

「マシュマロが熱い熱いで可哀想だにょーこっちのお口に避難するにょー」

「じゃあお前が飲め」


コーヒーをでぶ妖精に飲ませるキン。


「良い豆を使っている!!」

「ブラックでコーヒーが飲める・・・だと!?」


そんなドタバタが有りながら出かける準備を整える4人。


「おでぶちゃん倍近くでかくなったからポーチに入るかなと不安になったけど入るもんだな」

「そりゃあ私が作ったポーチだからね、十倍まで大きくなっても大丈夫よ」

「マジですか」

「マジよ、じゃあ各自調べるだけ調べて夕方に高台に集合で」

「分かっとるわ」

「はい、分かりました」

「じゃあ行くわよ」


4人はそれぞれ担当の場所に向かった。


貧民街に向かったキョク、ローブの事を聞いて回る。


「その兄ちゃんなら見たよ」

「見たのか!?」


あっさり一人目で手掛かりが見つかる。


「何だか知らんがネジとかガラクタを探して回っていた」

「ネジ?」

「そうネジとか色々、何か修理でもやるのかな?」

「修理?この街に何か機械とか有るのか?」

「そんなん知らねぇよ」

「うーん、じゃあ何処に行ったかとか分かるか?」

「いや、分かんねぇ」

「そうか・・・じゃあせむし男について知らないか?」

「せむし男?」

「背を丸めた男なのだが・・・」

「あんまり聞いた事ねぇなぁ・・・」

「そうか・・・」


キョクはその後もローブとせむし男の聞き込みを続けるキョク。

しかしローブの事は偶に聞くがせむし男については何の成果も得なかった。


「ふむ・・・せむし男は放っておいてそろそろ飯にでもするか・・・」


キョクはそこら辺にある定食屋に向かった。

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