第6話

XX月XX日

システム:オールグリーン

外部環境:オレンジ


現在この施設に残っている情報の半分のバックアップが終了しました。残りのバックアップはきっと明日には終わることでしょう。

最近この施設の外で滅多に見ない人の影を多く見かけるようになりました。以前手に入れた情報にあった通り、近々この施設に侵入しようとしている人たちでしょうか。中の様子を窺っているようです。事態はもしかしたら、予想よりも早く事が進むことになってしまうかもしれません。それならば、この日誌を書き終えたらもうバックアップを終えてしまうのがよいかもしれません。そして、施設のセキュリティを強化しましょう。暗号の強化、決して他人にはわからない方式で鍵をしてしまいましょう。この施設は彼が暮らしてきた場所であり、彼の研究成果そのものです。間違っても、誰かに踏み荒らされていいものではありません。少なくともワタシが許可しません。持ち出されることも、許しません。

さて、彼は無事に大気圏を突破し、地球の隣の惑星、火星に辿り着いたようです。どうか、無事に大切な人に会えますように。

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